年金制度の全体像とは?初心者にもわかりやすく解説

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この記事を読んで得られるメリット

  • 年金制度の全体像が理解できる
  • 自分が加入する年金制度の種類と仕組みがわかる
  • 年金制度の役割と必要性について知ることができる

年金制度は、高齢者や障害者、遺族の生活を支える重要な社会保障制度である。しかし、その仕組みは複雑で、初心者にはわかりにくいものである。本記事では、年金制度の全体像を初心者にもわかりやすく解説する。年金制度の目的や役割、種類、仕組みなどを理解することで、自分の将来設計に役立てることができる。

年金制度とは何か、なぜ必要なのか

年金制度とは、老後の生活を支える経済的基盤を提供するために設けられた社会保障制度である。その主な役割は以下の通りである。

  1. 老後の生活を支える経済的基盤の提供
  2. 世代間および世代内の所得再分配
  3. 貧困の防止と生活の安定

日本は急速に高齢化が進んでおり、2023年(令和5年)10月1日現在、65歳以上の高齢者人口は3,622万7千人で、総人口に占める割合は29.2%に達している(総務省統計局「人口推計」2023年10月1日現在)。このような高齢化社会において、年金制度は高齢者の生活を支え、社会の安定を維持するために必要不可欠な制度なのである。

※出典:総務省統計局「人口推計

年金制度の種類と仕組み

日本の年金制度は、大きく分けて国民年金、厚生年金、共済年金の3種類がある。それぞれの年金制度の対象者や仕組みについて見ていくことにする。

年金制度の種類

年金制度加入対象者加入者数運営主体
国民年金自営業者、学生、無職の人など20歳以上60歳未満のすべての人約1,400万人日本年金機構
厚生年金民間企業の従業員約4,156万人厚生労働省
共済年金公務員約460万人各共済組合
国民年金・厚生年金の加入者数:日本年金機構の主要統計(2022年3月末)
※共済年金の加入者数は平成18年

国民年金は、日本に住む20歳以上60歳未満のすべての人が加入する基礎的な年金制度である。厚生年金と共済年金は、国民年金の上乗せ部分として機能し、それぞれ民間企業の従業員と公務員等を対象としている。

CFP
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専門家のワンポイントアドバイス
すべての年金制度の基礎となるのが国民年金です。自営業者や学生、無職の人も国民年金に加入し、保険料を納める必要があります。一方、会社員や公務員は、国民年金に加えて厚生年金や共済年金に加入することになります。

年金制度の仕組み

各年金制度の仕組みについて、詳しく見ていくことにする。

項目国民年金厚生年金・共済年金
加入対象者自営業者、学生、無職の人など20歳以上60歳未満のすべての人民間企業の従業員、国家公務員や地方公務員、私立学校教職員など
保険料定額(月額16,590円(2021年度))収入に応じて決定(収入×18.3%(2021年度))
負担方式本人が全額負担被保険者と事業主が折半
給付の種類老齢基礎年金、障害基礎年金、遺族基礎年金老齢厚生(共済)年金、障害厚生(共済)年金、遺族厚生(共済)年金
受給開始年齢原則65歳(生年月日により異なる)原則65歳(生年月日により異なる)
CFP
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専門家のワンポイントアドバイス
国民年金の保険料は定額ですが、厚生年金と共済年金の保険料は収入に応じて決まります。また、厚生年金と共済年金の保険料は、加入者本人と事業主が半分ずつ負担するシステムになっています。

これらの年金制度は、現役世代が保険料を納付することで、高齢者の年金を支える仕組みになっている。受給開始年齢は原則65歳であるが、生年月日によって異なる場合がある。受給額は、加入期間や保険料納付額などによって決定される。

年金制度の財源と将来的な課題

年金制度は、現役世代の保険料と国庫負担を主な財源としている。しかし、少子高齢化の進行により、年金制度の持続可能性が懸念されている。今後は、年金制度の改革により、制度の安定化を図っていく必要がある。

まとめ

本記事では、年金制度の全体像について、初心者にもわかりやすく解説した。年金制度は、老後の生活を支える重要な社会保障制度であり、国民年金、厚生年金、共済年金の3種類に分類される。それぞれの制度の仕組みや役割を理解することで、自分の将来設計に役立てることができるだろう。年金制度の持続可能性を確保するためには、制度改革が不可欠であるが、私たち一人一人が年金制度に関心を持ち、理解を深めることも重要である。

Q
国民年金の加入者は、保険料の全額を自分で負担するのですか?
A

はい、そのとおりです。国民年金の加入者は、定額の保険料を全額自分で負担します。一方、厚生年金と共済年金の加入者は、保険料を加入者本人と事業主が折半して負担します。

Q
年金はいつから受け取れるのですか?
A

原則として、65歳から年金を受け取ることができます。ただし、生年月日によって受給開始年齢が異なる場合があります。また、60歳以上で一定の条件を満たせば、繰上げ受給することも可能です。

Q
年金の受給額は、どのように決まるのですか?
A

年金の受給額は、加入期間や保険料納付額などによって決定されます。具体的には、加入期間が長いほど、また保険料納付額が多いほど、受給額が高くなります。ただし、仕組みが複雑なため、年金事務所やねんきん定期便などで、自分の年金受給見込額を確認することをおすすめします。

<情報源>
・厚生労働省「年金制度の仕組み

執筆者・監修者
十河 賢

◇経歴10年以上のウェブライター&ファイナンシャルプランナー
◇CFP保有者・SEO検定1級・宅建士・住宅ローンアドバイザー

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