年収150万円のひとり暮らしで、水道光熱費の負担を軽減するためには、適切な目安を設定し、効果的な節約方法を実践することが不可欠である。ここでは、水道光熱費の目安を達成するための3つのステップを順を追って解説する。各ステップを着実に実行することで、無理なく光熱費を最適化し、快適なひとり暮らしを実現しよう。
年収150万円一人暮らしの電気代・光熱費・水道代の目安と平均額
年収150万円のひとり暮らしの水道光熱費は、どのくらいが目安・理想だろうか。水道光熱費の年間平均額や四半期ごとの推移を確認する。先に、結論をお伝えしておくので、その詳細を知りたい場合に読み進めてほしい。
統計データから見る年収150万円一人暮らしの電気代・光熱費・水道代の実態
総務省が公表している「家計調査」で、年収別の水道光熱費を確認する。年収150万円は100~200万円の範囲に該当する。また可処分所得とは、税金や社会保険料などを除く、自由に使えるお金のことで、手取額に近い金額である。
年収100~200万円の場合、1ヶ月の可処分所得は約17万円、そこから、1万円超を水道光熱費で支払っているとわかる。負担割合は、6.4%である。
このデータをもとに、年収150万円の場合の水道光熱費の目安を考えていこう。
年収150万円一人暮らしの電気代・光熱費・水道代の目安は月1万円以内
年収150万円の場合、水道光熱費を1ヶ月1万円以内におさえられれば、十分、節約していると言えるだろう。家計全体を見直しているのであれば、水道光熱費以外に節約できないか検討するとよい。
ただし、この金額は年間平均であるため、夏冬シーズンの電気消費で上昇する可能性がある。電気代・ガス代は季節によって大きく変動することも考慮する必要がある。
冬場の電気代・光熱費・水道代は夏の1.5倍!季節変動に要注意
家計調査のほかのデータを確認する。次の資料は、家計調査(2022年調査)単身世帯を四半期ごとにまとめたデータである。年収別ではないが、シーズンごとの金額の違いを確認できる。
夏季よりも冬季のほうが光熱・水道代が高く、最小値と最大値を比べると、約1.6倍ある。1ヶ月1万円以内を基本とし、冬場は、気候に応じて15,000円ぐらいまで許容範囲としてもいいだろう(前述の1万円には冬の電気代も含まれているため、正確には、1.5倍すると多すぎるが)。
エネルギー価格高騰で電気代・光熱費・水道代が値上がり!近年の推移を解説
2023年四半期のデータだけでなく、2018年からの中期的な水道光熱費の推移も確認しておく。
どの年度も、Q1(1~3月)の費用が高くなっている。1~3月なので、実際の使用月は12月~2月である。また、Q1の水道光熱費は1ヶ月1万円を超え、1.1~1.5万円程度になっている。Q2(4~6月)とQ4(10~12月)も少し高めだが、Q2は4月(使用月は3月)、Q4は12月(使用月は11月)と寒い日が含まれていると考えられる。
年収150万円一人暮らしが電気代・光熱費・水道代を節約するための3つのステップ
年収150万円のひとり暮らしにとって、水道光熱費の管理は重要な課題である。光熱費の目安を1ヶ月1万円以内に設定し、無駄をなくす工夫を実践することが求められる。ここでは、目安を達成するための3つのステップを解説する。各ステップを着実に実行することで、無理なく光熱費を最適化できるだろう。
ステップ1:無駄なエネルギー消費を避け、基準(目安)の範囲に収まるか
まずは、現在の水道光熱費が目安の範囲内に収まっているかどうかを確認し、管理状況を評価します。次の方法で定期的にチェックしよう。
<現状の確認>
項目 | チェックポイント |
毎月の水道光熱費 | ・検針票や請求書を確認し、金額を記録 ・前月や前年同月と比較し、増減の理由を分析 |
使用量の変化 | ・電気やガス、水道の使用量が大きく変化していないか確認 ・増加傾向にある場合は、無駄な使用がないか見直す |
目安の範囲内か | ・年収150万円の一人暮らしの場合、水道光熱費の目安は1ヶ月1万円以内 ・毎月の金額が目安の範囲内に収まっているか確認 |
季節変動の考慮 | ・夏冬は冷暖房の使用を考慮し、1ヶ月1.1万円~1.5万円を目安に ・季節変動を考慮しつつ、年間平均で目安の範囲内に収めることを目指す |
現状を確認した結果、目安の範囲内に収まっていない場合や、無駄なエネルギー消費が見られる場合は、次のような具体的な節約方法や生活習慣の見直しを実践します。
<節約方法>
項目 | チェックポイント |
照明の工夫 | ・日中は自然光を積極的に取り入れ、不要な照明はこまめに消す ・LED電球への交換で、消費電力を削減 |
適切な温度設定 | ・冷房時は28℃、暖房時は20℃を目安に設定 ・扇風機やサーキュレーターを併用し、エアコンの使用を控えめに |
家電の効率的な使用 | ・冷蔵庫の開閉を減らし、適切な温度設定を維持 ・テレビやパソコンは使用しないときは主電源をオフに |
無駄な待機電力の削減 | ・コンセントからプラグを抜く、または節電タップを活用 ・充電が完了したら、充電器をコンセントから外す |
節水の徹底 | ・シャワーの使用時間を短縮し、水圧を調整 ・食器洗いは溜めて行い、水の流しっぱなしを避ける |
ステップ2:収まれば、無駄がないようこれからも意識し続ける
ステップ1で管理状況を評価した結果、水道光熱費が目安の範囲内に収まっている場合は、現在の節約努力が効果的であるため、家計を見直し中であれば、ほかの支出をチェックするとよい。この段階で重要なのは、継続して無駄のない使用を心がけることである。
節約が習慣化し、無駄のない生活が当たり前になれば、水道光熱費の管理はより容易になる。目安の範囲内に収まっている場合でも、引き続き節約意識を持ち続けることが大切だ。
ステップ3:無駄がないのに収まらない場合で、負担が大きいなら機器自体を見直す
ステップ1で節約に努め、ステップ2で無駄のない使用を心がけているにもかかわらず、水道光熱費が目安の範囲内に収まらない場合がある。そのような状況では、機器自体の効率を見直し、省エネ性能の高い機器への買い替えを検討することが有効である。
まず、現在使用している機器の消費電力や効率を確認することが重要である。古い機器や効率の悪い機器を使い続けていると、無駄なエネルギー消費につながる。特に、エアコン、冷蔵庫、照明などは、家庭の水道光熱費に大きな影響を与える機器であるため、注意が必要である。
次に、省エネ性能の高い機器への買い替えを検討するタイミングを判断することが求められる。一般的に、次のような場合が買い替え時期の目安となる。
- 機器の使用年数が目安を超えている場合
- エアコン:10年以上
- 冷蔵庫:10年以上
- テレビ:8年以上
- 洗濯機:8年以上
- 修理費用が高額になる場合
- 修理費用が機器の価格の半分以上になる場合は、買い替えを検討する。
- 省エネ性能が大幅に向上した新製品が登場した場合
- 技術の進歩により、大幅に省エネ性能が向上した機器が発売された場合は、買い替えによる節約効果が期待できる。
機器を選ぶ際は、エネルギー消費効率を示す「省エネラベリング制度」の評価を参考にすることが有効である。省エネ基準達成率100%以上の製品や、星の数が多い製品を選ぶことで、効率の良い機器を選択できる。
また、買い替えによる長期的なメリットを理解することも大切である。初期投資が必要となるが、長期的に見れば、水道光熱費の削減によって、コスト面でのメリットが期待できる。加えて、省エネ性能の高い機器は、環境負荷の低減にも貢献するため、エコロジーの観点からも意義がある。
まとめ
年収150万円のひとり暮らしで水道光熱費を管理するには、3つのステップが有効である。無駄をなくし目安内に収まるよう工夫し、達成できたら習慣化を目指す。それでも高負担なら機器の見直しを検討する。節約を継続し、生活の質を保ちながら、水道光熱費の最適化を実現することが重要である。