【驚愕の学資保険!実は多くない受取額②】学資保険のデメリット:運用で負ける!? 資産形成の正解とは

驚いた表情でメガネをかけた若い女性が指さしている様子 教育費
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  • 執筆者・監修者:十河 賢
  • 経歴10年以上のウェブライター&ファイナンシャルプランナー
  • CFP保有者・証券外務員二種
  • 宅建士(未登録)・住宅ローンアドバイザー
  • SEO検定1級・エクセルVBAエキスパート

子どもの将来のために学資保険に加入したものの、思ったほど受取額が増えないと感じている人は少なくない。実は、学資保険には運用面で大きなデメリットが潜んでいるのだ。しかし、諦める必要はない。

この記事では、学資保険の運用の実態を明らかにするとともに、子どもの教育資金を効果的に準備するための方法を詳しく解説する。賢い資産形成で、子どもの未来をより豊かなものにする方法を学んでいこう。

学資保険と資産運用の比較

学資保険は多くの親が子どもの教育資金準備のために選択する方法の一つだが、資産運用の観点からみると必ずしも最適とは言えない。ここでは、学資保険の運用実態と他の資産運用方法との比較を通じて、その問題点を明らかにする。

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専門家のワンポイントアドバイス
教育資金準備では、家庭の状況に応じた柔軟な戦略が重要です。学資保険を中心に準備するか、資産運用を活用するか、その判断のためにこの章を参考にしてください。

学資保険の運用利回りの実態

学資保険の運用利回りは、一般的に考えられているよりも低い水準にとどまっていることが多い。具体的な数字で見ていくと、その実態がより明確になる。

学資保険の返戻率は、おおむね105%~110%程度である。これは、支払った保険料の総額に対して、最終的に受け取る金額が5%~10%増えることを意味する。過去の金利が高かった時期では、返戻率が120%程度まで上昇することもあったが、近年の低金利環境下ではこの105%~110%という水準が一般的だ。

一見すると、10%の増加は悪くないように思えるかもしれない。しかし、学資保険の運用期間が通常18年から22年程度であることを考慮すると、年間の運用利回りは非常に低いものとなる。

たとえば、22年間で110%の返戻率の場合、年間の利回りは約0.43%にすぎない。18年間で同じ返戻率だとしても、年間利回りは約0.53%程度である。このように、長期間の運用にもかかわらず、年間の実質的な利回りは1%にも満たないケースがほとんどだ。

この低い利回りの背景には、保険会社の運用方針がある。保険会社は契約者の資金を安全に運用するため、国債や高格付けの社債などの低リスク商品に投資する傾向が強い。そのため、高いリターンを期待することが難しくなっている。

また、学資保険には契約時の費用や保険料の一部が保障の原資に充てられることなども、運用利回りを押し下げる要因となっている。

このように、学資保険は安全性は高いものの、運用面での効率性は決して高いとは言えない。次のセクションでは、この低い運用利回りを他の資産運用方法と比較し、より効果的な教育資金準備の方法を探っていく。

分類別の平均パフォーマンスと学資保険の比較

投資信託の分類別の平均パフォーマンスを見ると、学資保険の年0.5%程度の利回りは決して高いハードルではないことがわかる。以下に、直近5年間の主要な資産クラスの平均年率リターンを示す。

資産クラス年率リターン (%)
国内株式8.9
先進国株式12.1
新興国株式9.2
グローバル株式9.0
国内債券0.1
先進国債券2.0
新興国債券▲0.3
グローバル債券0.6
国内REIT5.3
海外REIT8.5
バランス4.8

これらのデータから、以下のような考察ができる。

  1. 株式系ファンドは、学資保険の利回りを大きく上回っている。例えば、先進国株式は12.1%と、学資保険の20倍以上のリターンを示している。
  2. 債券系ファンドでも、先進国債券は2.0%のリターンを示しており、学資保険の約4倍の利回りとなっている。
  3. 比較的リスクの低いバランス型ファンドでさえ、4.8%のリターンを記録しており、学資保険を大きく上回っている。
  4. 最もリターンの低い国内債券でも0.1%のプラスリターンを示しており、学資保険の利回りに近い水準を維持している。

これらの数字を見ると、学資保険の年0.5%という利回りは、投資信託の世界では決して高いハードルではないことがわかる。 実際、ほとんどの資産クラスがこの水準を上回っており、なかにはその何倍もの利回りを記録しているものもある。

ただし、投資信託にはリスクが伴うことを忘れてはならない。特に株式系ファンドは、短期的には大きな変動があり、元本割れのリスクもある。一方で、学資保険は元本が保証されているという安全性がある。

しかし、教育資金の準備という長期的な目標を考えると、適切なリスク管理のもとで投資信託を活用することで、学資保険よりも高い運用成果を期待できる可能性が高い。特に、バランス型ファンドや、株式と債券を適切に組み合わせた運用戦略を採用することで、リスクを抑えつつ、学資保険を上回るリターンを目指すことが可能だ。

このように、分類別の平均パフォーマンスを見ると、学資保険の0.5%という利回りは決して高いハードルではなく、適切な投資戦略を選択することで、より効果的な教育資金の準備が可能であることがわかる。

資産運用で教育資金を準備する場合の目標

学資保険ではなく、資産運用で教育資金準備をする場合、どのくらいの利回りを達成できれば、学資保険より効果的だと言えるのだろうか。シミュレーションで確認する。

学資保険と投資信託の比較

学資保険と同じ条件で投資信託を運用した場合の比較を行う。ここではまず、投資信託も学資保険の仕組みに合わせ、10年間のみ積立を行い、残りの8年間は積立せずに運用するという条件で比較する。投資信託は、毎月2万円積み立て、毎月分配金を受け取れるとする。

項目学資保険投資信託
払込総額2,400,000円2,400,000円
受取総額2,640,000円2,582,066円
増加額240,000円182,066円

学資保険は、返戻率110%とし、払込期間10年とした。18年後に受け取れるとして、年換算約0.56%の増加となる。一方、投資信託も0.56%で運用し、10年経過後は、それまでの積立額を原資として運用している。

この比較から、同じ0.56%の利回りだと、学資保険の方が最終的な受取額が多いことがわかる。学資保険には死亡保障も付帯されており、投資信託のような元本割リスクや0.56%を下回るリスクは小さいため、学資保険のほうがメリットがあると判断できる。

このことから、資産運用で教育資金を準備するメリットとして、学資保険以上の利回りを期待できる点にあることがわかる。つまり、資産運用であれば、元本割のリスクはあるが、0.56%以上の運用成果を期待できる。このことは、前章で紹介した、年率リターンからも十分可能であることがわかる。

投資信託1%で運用した場合

投資信託で年平均1%のリターンなら、ハードルは高くない。このケースで比較しよう。

項目学資保険投資信託
払込総額2,400,000円2,400,000円
受取総額2,640,000円2,723,170円
増加額240,000円323,170円

当たり前だが、投資信託のほうが増える。投資先に株式や不動産などののインフレに強い資産が含まれていれば、インフレリスク対策になる。資産運用で準備する場合は、自身のリスク許容度に合わせたポートフォリオを組む必要があるが、株式型やREITなどのインフレに強い資産も少なからず含めるようにしよう。

教育資金準備のための効果的な資産形成方法

子どもの教育資金を準備するにあたり、学資保険と投資信託のそれぞれの特徴を理解したうえで、効果的な資産形成方法を考えることが重要だ。ここでは、リスクとリターンのバランスを取りながら、より効果的な教育資金の準備方法について探っていく。

リスクとリターンを考慮した資産配分

教育資金の準備には、家庭の状況やリスク許容度に応じた適切な資産配分が鍵となる。以下のポイントを考慮しながら、バランスの取れた資産配分を目指すべきだ。

  1. リスク許容度の把握: 家計の安定性や他の資産の状況を考慮し、どの程度のリスクを取れるかを明確にする。
  2. 時間軸の設定: 子どもの年齢や教育資金が必要となる時期を考慮し、長期的な視点で資産配分を行う。
  3. 分散投資の活用: 株式や債券、REITなど、異なる資産クラスに分散投資することでリスクを軽減する。
  4. 定期的な見直し: 子どもの成長や経済状況の変化に応じて、定期的に資産配分を見直す。

リスクを抑えつつ、インフレ率を上回るリターンを目指すことが、教育資金準備における資産形成の基本的な考え方となる。

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専門家のワンポイントアドバイス
資産運用を併用して活用する場合には、リスク許容度も把握しなければなりません。無理に利益を追求すると、予定通りに準備できない可能性も出てきますので、リスク分散しながら確実に準備できるようなポートフォリオを組みましょう。

学資保険と資産運用を組み合わせたハイブリッド戦略

学資保険の安全性と投資信託の成長性を組み合わせたハイブリッド戦略は、バランスの取れた教育資金準備の方法として注目される。以下のようなアプローチが考えられる。

  1. 基礎部分の確保: 必要な教育資金の一部を学資保険で確保し、安全性の高い基礎部分を作る。
  2. 成長部分の追加: 残りの資金を投資信託で運用し、より高いリターンを目指す。
  3. 段階的なリスク調整: 子どもの成長に合わせて、徐々に安全性の高い資産にシフトしていく。
  4. 柔軟な資金管理: 投資信託部分は、必要に応じて一部を取り崩すなど、柔軟な資金管理を行う。

このハイブリッド戦略により、確実性と成長性のバランスを取りながら、効果的な教育資金の準備が可能となる。

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専門家のワンポイントアドバイス
ハイブリッド戦略を採用する場合、定期的な見直しが欠かせません。家庭の状況や経済環境の変化に応じて、柔軟に調整していくことが大切です。

まとめ:子どもの未来のための賢い資産形成術

教育資金の準備は、子どもの未来への投資であり、慎重かつ戦略的なアプローチが求められる。以下の点を踏まえ、各家庭に適した資産形成を行うことが重要だ。

  1. 早期開始の重要性: 複利効果を最大限に活用するため、できるだけ早く準備を始める。
  2. 目標設定の明確化: 必要な教育資金を具体的に算出し、明確な目標を設定する。
  3. リスク管理の徹底: 学資保険と投資信託を適切に組み合わせ、リスクを管理しながら運用する。
  4. 定期的な見直し: 経済状況や家庭の状況の変化に応じて、定期的に戦略を見直す。
  5. 金融リテラシーの向上: 資産運用に関する知識を深め、より賢明な判断ができるよう努める。
  6. 専門家のアドバイス活用: 必要に応じて金融アドバイザーなどの専門家に相談し、適切なアドバイスを得る。

子どもの教育資金準備は、単なる貯蓄ではなく、計画的かつ戦略的な資産形成の機会である。安全性と成長性のバランスを取りながら、長期的な視点で取り組むことが、子どもの未来を支える賢明な選択となるだろう。

Q
学資保険と投資信託、どちらを選ぶべきですか?
A

一概にどちらが良いとは言えません。家庭の状況、リスク許容度、教育資金の必要時期などを考慮して選択することが大切です。両者を組み合わせたハイブリッド戦略も有効な選択肢の一つです。

Q
教育資金準備のための資産運用を始めるのに遅すぎることはありますか?
A

「始めるのに遅すぎる」ということはありません。ただし、早く始めるほど複利効果を活用できる期間が長くなりますので、できるだけ早期に開始することをおすすめします。

Q
教育資金準備のための資産運用で、最も重要なポイントは何ですか?
A

最も重要なのは、長期的な視点を持ち、リスクとリターンのバランスを取ることです。また、定期的な見直しと必要に応じた戦略の調整も大切です。自身の状況に合わせた柔軟な対応が成功の鍵となります。

執筆者・監修者
十河 賢

◇経歴10年以上のウェブライター&ファイナンシャルプランナー
◇CFP保有者・SEO検定1級・宅建士・住宅ローンアドバイザー

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