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家計のやりくりに悩む方は多いのではないだろうか。とくに世帯人数が変化したときは、支出の内訳も大きく変わってくる。そこで北海道の家族構成別の収支データから、世帯タイプごとの特徴を解説する。
このデータを参考にすることで、自身の家計の現状を理解し、より効果的な家計管理につなげることができるだろう。
子どものいない世帯の家計支出の特徴
単身世帯、夫婦のみの世帯、親と同居する世帯では、それぞれ特徴的な支出傾向がみられる。まずは基本的な支出から、各世帯の特徴を詳しくみていこう。
項目 | 夫婦のみ | 単身世帯 | 夫婦とその親 |
---|---|---|---|
消費支出 | 287,346 | 159,092 | 391,673 |
食料 | 66,786 (23.2%) | 37,524 (23.6%) | 90,117 (23.0%) |
住居 | 21,266 (7.4%) | 25,836 (16.2%) | 7,416 (1.9%) |
光熱・水道 | 20,020 (7.0%) | 10,624 (6.7%) | 32,651 (8.3%) |
家具・家事用品 | 9,166 (3.2%) | 3,980 (2.5%) | 10,629 (2.7%) |
被服及び履物 | 11,997 (4.2%) | 5,366 (3.4%) | 16,885 (4.3%) |
保健医療 | 13,311 (4.6%) | 5,007 (3.1%) | 14,554 (3.7%) |
交通・通信 | 69,698 (24.3%) | 25,305 (15.9%) | 56,281 (14.4%) |
教育 | - | 68 (0.0%) | - |
教養娯楽 | 24,745 (8.6%) | 19,419 (12.2%) | 35,586 (9.1%) |
その他の消費支出 | 50,358 (17.5%) | 25,963 (16.3%) | 127,554 (32.6%) |
非消費支出 | 75,413 | 47,593 | 108,873 |
[持ち家(現住居)の帰属家賃] | 41,140 | 14,028 | 57,471 |
勤め先収入 | 367,818 | 245,433 | 514,348 |
可処分所得 | 363,956 | 215,276 | 510,687 |
基本生活費からみる特徴
食費、住居費、光熱水道費の割合をみると、世帯構成による特徴が顕著にあらわれている。単身世帯は住居費が消費支出の16.2%を占めており、ほかの世帯と比べて大きな負担となっている。食費については、世帯人数が多いほど総額は増えるものの、消費支出に占める割合は23%前後でほぼ一定となっている。
専門家のワンポイントアドバイス:
三世代同居は、水道・光熱費の総額は増えますが、一人当たりの負担は軽くなります。
日常生活費の使い方
交通・通信費や教養娯楽費などの日常生活費は、世帯構成によって大きく異なっている。夫婦のみの世帯では交通・通信費が消費支出の24.3%を占めており、支出項目の中で最も高い割合となっている。一方で、親と同居している世帯では14.4%と低く、世帯人数が増えることで一人あたりの負担は軽減されている。
専門家のワンポイントアドバイス:
交通費は世帯でまとめて支払うサービスの利用で節約できます。
効率的な支出のポイント
光熱水道費と家具・家事用品費に注目すると、世帯人数による効率化の効果がわかる。夫婦とその親の世帯では、光熱水道費は32,651円と最も高額だが、消費支出に占める割合は8.3%にとどまっている。これは、複数人で生活することによる固定費の分散効果を示している。家具・家事用品についても同様の傾向がみられ、共有による効率化が進んでいることがわかる。
子育て世帯の家計支出の実態
子どもの人数や世帯構成の違いによって、支出の内訳は大きく変化する。データから特徴的な傾向を読み解いていこう。
項目 | 子1人 | 子2人 | 子3人以上 | 片親と子 | 夫婦と子と親 |
---|---|---|---|---|---|
消費支出 | 284,722 | 277,674 | 271,918 | 227,223 | 196,736 |
食料 | 70,125 (24.6%) | 72,460 (26.1%) | 77,646 (28.6%) | 49,329 (21.7%) | 71,434 (36.3%) |
住居 | 18,441 (6.5%) | 14,035 (5.1%) | 9,780 (3.6%) | 37,136 (16.3%) | 1,332 (0.7%) |
光熱・水道 | 22,613 (7.9%) | 23,191 (8.4%) | 26,068 (9.6%) | 20,786 (9.1%) | 31,543 (16.0%) |
家具・家事用品 | 10,233 (3.6%) | 9,711 (3.5%) | 7,791 (2.9%) | 7,441 (3.3%) | 10,274 (5.2%) |
被服及び履物 | 11,672 (4.1%) | 14,340 (5.2%) | 17,678 (6.5%) | 10,814 (4.8%) | 5,249 (2.7%) |
保健医療 | 16,968 (6.0%) | 10,720 (3.9%) | 7,665 (2.8%) | 10,063 (4.4%) | 8,007 (4.1%) |
交通・通信 | 44,021 (15.5%) | 45,376 (16.3%) | 47,858 (17.6%) | 30,708 (13.5%) | 27,983 (14.2%) |
教育 | 12,103 (4.3%) | 13,162 (4.7%) | 18,222 (6.7%) | 8,700 (3.8%) | 4,716 (2.4%) |
教養娯楽 | 21,509 (7.6%) | 33,482 (12.1%) | 23,431 (8.6%) | 24,668 (10.9%) | 13,004 (6.6%) |
その他の消費支出 | 57,038 (20.0%) | 41,197 (14.8%) | 35,779 (13.2%) | 27,578 (12.1%) | 23,192 (11.8%) |
非消費支出 | 91,458 | 84,089 | 74,540 | 40,583 | 68,322 |
[持ち家(現住居)の帰属家賃] | 45,183 | 48,484 | 49,995 | 25,768 | 68,483 |
勤め先収入 | 455,273 | 477,888 | 433,073 | 240,358 | 472,720 |
可処分所得 | 412,173 | 432,094 | 411,800 | 270,552 | 533,317 |
子育てにかかる基本的な支出
食費と光熱水道費は、子どもの人数が増えるほど金額が上昇する傾向にある。子どもが3人以上いる世帯では、食費は消費支出の28.6%を占めており、基本生活費の中でもっとも大きな支出項目となっている。また、光熱水道費も子どもの人数に応じて増加し、3人以上の世帯では26,068円と、子ども1人世帯と比べて約15%高くなっている。
専門家のワンポイントアドバイス:
子どもの人数が増えても、工夫次第で一人当たりの支出を抑えることができます。
教育費と日常生活費の特徴
教育費は子どもの人数による影響が顕著にあらわれている。子どもが3人以上の世帯では教育費が18,222円と最も高く、消費支出の6.7%を占めている。子ども1人世帯の4.3%と比べると、割合で見ても1.5倍以上の負担となっている。一方で、教養娯楽費は子ども2人世帯で33,482円と最も高くなっており、家族での余暇活動が活発になっていることがうかがえる。
家計改善に向けた分析
住居費と光熱水道費の関係に注目すると、効率的な支出のヒントが見えてくる。夫婦と子と親の世帯では、住居費は1,332円と低い一方で、光熱水道費は31,543円と最も高額になっている。これは三世代同居による住居費の節約効果を示している。また、被服費は子どもの人数が増えるほど上昇する傾向にあり、3人以上の世帯では17,678円と、消費支出の6.5%を占めている。
まとめ:家族構成別の支出傾向から学ぶポイント
北海道の家族構成別の支出データからは、世帯構成による家計支出の特徴が明確にあらわれている。単身世帯では住居費の負担が大きく、子育て世帯では食費と教育費の割合が高くなる傾向にある。一方で、三世代同居など世帯人数が多い家庭では、光熱水道費や家具・家事用品費などで一人あたりの負担が軽減されている。
また消費支出の総額は、子どもの人数が増えるほど減少する傾向にある。これはより効率的な支出を心がけている結果とみることができる。たとえば、子ども3人以上の世帯では消費支出に占める食費の割合は28.6%と高くなるものの、住居費は3.6%にとどまっており、支出のバランスを考慮した家計管理が行われていることがわかる。
このように、家族構成によって支出の内訳は大きく異なるため、自身の世帯構成に応じた家計管理が重要となってくる。各費目の金額だけでなく、消費支出に占める割合も意識しながら、バランスの取れた支出計画を立てることが望ましい。
- Q単身世帯と夫婦世帯で、支出の割合が最も違うのはどの費目ですか?
- A
住居費です。単身世帯は16.2%、夫婦世帯は7.4%と大きな差があります。
- Q子育て世帯の教育費は、子どもが何人の時に最も高くなりますか?
- A
3人以上の世帯で18,222円(6.7%)と最も高くなっています。
- Q三世代同居の特徴的な支出は何ですか?
- A
住居費が1,332円と極めて低い一方、光熱水道費は31,543円と高額です。
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