スマートフォンの普及により、投資はより身近になっている。
しかし、各社の手数料無料化で一見すると違いが分かりにくく、証券会社選びに悩む投資家が増えている。
選ぶべきポイントは、銀行連携の利便性、ポイント投資の方法、ロボアドバイザーの特徴など、各経済圏による独自のサービスにある。
本記事では、主要経済圏と結びついた5大ネット証券(三菱UFJ eスマート、PayPay、SBI、マネックス、楽天)のサービスを徹底比較。
自分の生活スタイルに最適な証券会社の選び方を解説する。
銀行連携で広がる投資信託の始め方
スマートフォン決済の普及により、証券投資と銀行サービスの垣根が低くなってきている。
証券会社(キャンペーン広告あり) 主な連携銀行 | 自動入金(資金不足時・定期的) 即時入金 | 預金金利優遇 |
---|---|---|
三菱UFJeスマート証券 auじぶん銀行・三菱UFJ銀行 | 両方対応 無料 | 通常0.11% +0.10% |
PayPay証券 PayPay銀行 | 可能(定期) 無料 | なし |
SBI証券 SBI新生銀行 住信SBIネット銀行 | 両方対応 無料 | SBI新生銀行:通常0.2%+0.1% 住信SBIハイブリッド預金:0.11% |
マネックス証券 イオン銀行 | 可能(定期) 無料 | なし |
楽天証券 楽天銀行 | 両方対応 無料 | 通常0.1% +0.08%(300万円以下) |
※多くの証券会社で、連携銀行に限らず手数料無料でのお取引が可能です
※預金金利優遇は連携銀行でのみ適用されます
※すべての証券会社で通常の銀行振込による入金も可能です

専門家からのワンポイントアドバイス:
連携していない銀行からの入金でも問題なく取引できます。普段使いの銀行との連携を優先しましょう。
各社の銀行連携サービスの特徴
証券会社と銀行が連携することで、資金移動がスムーズになり、特典も受けられる。
銀行との連携には、2つの大きなメリットがある。
- 資金移動の簡便化: 従来は銀行から証券口座への入金に手間と時間がかかったが、連携により格段に便利になった。
- 特典の獲得: 預金金利の優遇など、さまざまな特典を受けられる。
入金方法は3種類
- 自動入金(資金不足時): 証券口座の資金が不足すると、連携銀行から自動的に資金が移動する。投資タイミングを逃さないための機能。
- 自動入金(定期的): 毎月指定日に一定額を銀行から証券口座へ自動入金。積立投資に最適。
- 即時入金: ネットバンキングを使って手動で入金する方法。入金後すぐに取引できるため、相場を見ながら投資タイミングを決められる。
たとえば、SBI証券は、経済圏にある銀行だけでなく、多くの銀行との間でつみたて入金が可能である。具体的な連携方法は、各証券会社に確認しよう。
預金金利優遇のメリット
連携銀行の普通預金金利が上乗せされることで、投資待機資金の運用効率が高まる。
特に三菱UFJ eスマート証券とSBI証券は0.1%以上の上乗せがあり、預け入れ金額が大きいほどメリットを感じられる。
一方、PayPay証券は金利優遇はないが、おいたまま買付で入金の手間を省ける。
投資信託の積立方法を比較
投資信託の積立は、自動積立やポイント投資など、多様な方法が選べるようになっている。
証券会社 | 自動積立サービス名 | 決済方法 | ポイント投資 |
---|---|---|---|
三菱UFJeスマート証券 | プレミアム積立® | 銀行引落 au PAYカード | Pontaポイント |
PayPay証券 | ・PayPay資産運用(アプリ内) ・つみたて投資 | PayPayマネー PayPayポイント PayPayカード PayPay銀行オートチャージ | PayPayポイント |
SBI証券 | 積立投信 | 銀行引落 | Vポイント Pontaポイント |
マネックス証券 | 投信つみたて | 銀行引落 | dポイント マネックスポイント |
楽天証券 | 積立サービス | 銀行引落 楽天カード 楽天キャッシュ | 楽天ポイント |

専門家からのワンポイントアドバイス:
定期的な積立投資をメインに据え、ポイント投資は追加の投資手段として活用しよう。
多様化する積立投資の方法
投資信託の積立は、銀行引落による従来の方法に加え、スマートフォン決済やクレジットカードなど、選択肢が広がっている。
決済方法が増えることで、給与や各種ポイントなど、さまざまな資金源から投資を始められるようになった。
特にPayPay証券は、PayPayマネーやクレジットカードなど、多彩な決済手段に対応している。
ポイント投資で始める資産運用
普段の買い物で貯まったポイントを投資に活用できることで、少額からの投資が身近になっている。
各社とも経済圏のポイントを使った投資に対応しており、SBI証券はVポイントやPontaポイントなど、複数のポイントプログラムに対応している。
ロボアドバイザーで始める自動運用
投資初心者でも専門家のように資産運用ができるロボアドバイザーサービスが充実している。
証券会社 サービス名 | 最低投資金額 | 運用管理手数料 (税込・年率) | 特徴 |
---|---|---|---|
SBI証券 ROBOPRO ROBOPROファンド | 10万円~ 100円~ | 最大0.715% | ROBOPROファンドは NISA成長投資枠対応 |
マネックス証券 マネックスアドバイザー | 1万円~ | 年率0.33% | ・世界水準の低コスト ・自動リバランス機能付き |
楽天証券 楽ラップ | 1万円~ | 固定報酬: 最大0.715% または 基本費用: 最大0.605%+成功報酬 | 成功報酬: 運用益の5.50%(税込) |

専門家からのワンポイントアドバイス:
ロボアドバイザーはアメリカで広く普及している投資手法で、初心者でも専門家レベルの分散投資が可能です。
ロボアドバイザーの基本機能
人工知能を活用したロボアドバイザーは、投資の知識や経験がなくても、分散投資による資産運用を実現できる。
資産形成の目標や投資スタイルに応じて、最適な投資配分を提案し、市場の変化に合わせて自動的にリバランスを行う。
マネックス証券のマネックスアドバイザーは、低コストで自動リバランス機能を備えている。
運用コストと投資金額の選び方
ロボアドバイザーは、最低投資金額と運用管理手数料の違いが選択の重要なポイントとなる。
SBI証券は2種類のサービスを提供しており、ROBOPROファンドなら100円から始められる。
また、楽天証券の楽ラップは、固定報酬型と成功報酬型から選択できる柔軟な料金体系を採用している。
まとめ:証券会社選びは、経済圏との相性がカギ
単なる手数料比較だけでなく、自身が普段利用している経済圏のサービスとの相性が重要なポイントである。
銀行連携の違い
- 資金移動の利便性と預金金利優遇に大きな差
- SBI証券は3つの銀行と連携し選択肢が豊富
ポイント投資の活用
- 各社が経済圏のポイントサービスに対応
- 普段の買い物で貯めたポイントを投資に活用可能
ロボアドバイザーの選び方
- 投資初心者でも利用しやすい自動運用サービス
- 最低投資金額は100円~10万円と幅広い選択肢
- 運用管理手数料も各社で特徴あり
投資信託を始める際は、自分の生活スタイルに合わせて資金の入金方法、ポイントの活用方法、自動運用の必要性などを総合的に検討し、最適な証券会社を選ぼう。
- Q証券会社を複数開設することはできますか?
- A
はい、可能です。経済圏ごとの特典を使い分けたり、サービスを比較検討したりする際に便利です。口座開設・維持に手数料はかかりません。
- Q銀行との連携は後から設定できますか?
- A
はい、口座開設後でも設定可能です。ただし、連携のためには各銀行での口座開設と手続きが必要となります。
- Qポイント投資の最低投資額はいくらですか?
- A
証券会社によって異なりますが、100ポイント(100円)から投資できるところが多い。ただし、投資信託の商品により、最低投資額が設定されている場合があります。