【愛知県】一人暮らしから夫婦・子育て世帯の平均生活費｜家族構成別の暮らしデータ・収支分析

家計のやりくりに悩む方は多いものである。とくに愛知県では、生活費の多くを占める住居費や教育費の負担が大きな課題となっている。世帯人数の変化は、支出の内訳にも大きな影響を与えるため、家族構成に応じた対策が必要となってくる。

この記事では、愛知県の家族構成別の収支データから、世帯タイプごとの特徴を解説する。このデータを参考にすることで、より効果的な家計管理につなげることができるだろう。

子どものいない世帯の家計支出の特徴

単身世帯、夫婦のみの世帯では、それぞれ特徴的な支出傾向がみられる。まずは基本的な支出から、各世帯の特徴を詳しくみていこう。

項目	夫婦のみ	単身世帯	夫婦とその親
消費支出	284,090	171,841	300,529
食料	73,006 (25.7%)	35,232 (20.5%)	85,714 (28.5%)
住居	24,373 (8.6%)	37,857 (22.0%)	20,865 (6.9%)
光熱・水道	16,091 (5.7%)	9,500 (5.5%)	22,850 (7.6%)
家具・家事用品	7,399 (2.6%)	6,455 (3.8%)	19,391 (6.5%)
被服及び履物	11,954 (4.2%)	5,671 (3.3%)	14,901 (5.0%)
保健医療	12,816 (4.5%)	5,786 (3.4%)	12,568 (4.2%)
交通・通信	46,005 (16.2%)	33,991 (19.8%)	46,237 (15.4%)
教育	–	–	–
教養娯楽	38,764 (13.6%)	17,512 (10.2%)	21,587 (7.2%)
その他の消費支出	53,681 (18.9%)	19,837 (11.5%)	56,415 (18.8%)
非消費支出	98,662	53,096	85,631
[持ち家（現住居）の 帰属家賃]	45,780	17,894	70,977
勤め先収入	459,555	287,244	405,508
可処分所得	417,965	256,196	464,592

基本生活費からみる特徴

食費、住居費、光熱水道費の割合をみると、世帯構成による特徴が顕著にあらわれている。単身世帯は住居費が消費支出の22.0%を占めており、他の世帯と比べて大きな負担となっている。食費については、夫婦とその親の世帯が28.5%と最も高く、世帯人数の増加に伴い総額も上昇する傾向がみられる。

日常生活費の使い方

交通・通信費や教養娯楽費などの日常生活費は、世帯構成によって大きく異なる傾向がある。夫婦のみの世帯では教養娯楽費が消費支出の13.6%を占めており、支出項目の中でも高い割合となっている。一方で、親と同居している世帯では7.2%と低く、世帯人数が増えることで一人あたりの負担は軽減されている。

効率的な支出のポイント

光熱水道費と家具・家事用品費に注目すると、世帯人数による効率化の効果がわかる。夫婦とその親の世帯では、光熱水道費は22,850円と最も高額だが、一人あたりの負担は軽減されている。これは、複数人で生活することによる固定費の分散効果を示している。家具・家事用品についても同様の傾向がみられ、共有による効率化が進んでいることがわかる。

子育て世帯の家計支出の実態

子どもの人数や世帯構成の違いによって、支出の内訳は大きく変化する。データから特徴的な傾向を読み解いていこう。

項目	子1人	子2人	子3人以上	片親と子	夫婦と子 と親
消費支出	323,363	308,359	296,583	209,669	428,212
食料	79,473 (24.6%)	81,954 (26.6%)	88,357 (29.8%)	58,219 (27.8%)	101,138 (23.6%)
住居	24,215 (7.5%)	11,048 (3.6%)	4,868 (1.6%)	20,822 (9.9%)	36,853 (8.6%)
光熱・水道	18,949 (5.9%)	20,721 (6.7%)	20,187 (6.8%)	15,576 (7.4%)	31,815 (7.4%)
家具・家事用品	9,067 (2.8%)	10,525 (3.4%)	9,112 (3.1%)	5,025 (2.4%)	17,326 (4.0%)
被服及び履物	17,665 (5.5%)	13,980 (4.5%)	13,262 (4.5%)	8,812 (4.2%)	18,805 (4.4%)
保健医療	15,480 (4.8%)	13,064 (4.2%)	12,233 (4.1%)	6,683 (3.2%)	16,915 (4.0%)
交通・通信	51,016 (15.8%)	52,296 (17.0%)	48,869 (16.5%)	27,473 (13.1%)	60,729 (14.2%)
教育	16,781 (5.2%)	32,429 (10.5%)	28,064 (9.5%)	7,272 (3.5%)	51,640 (12.1%)
教養娯楽	28,554 (8.8%)	31,784 (10.3%)	31,710 (10.7%)	25,799 (12.3%)	31,945 (7.5%)
その他の消費支出	62,163 (19.2%)	40,557 (13.2%)	39,921 (13.5%)	33,988 (16.2%)	61,046 (14.3%)
非消費支出	109,839	108,145	99,620	40,562	107,581
[持ち家（現住居）の帰属家賃]	55,062	75,035	72,673	43,186	77,057
勤め先収入	530,012	543,056	537,471	263,342	542,585
可処分所得	462,409	463,686	475,715	290,989	561,661

子育てにかかる基本的な支出

食費と光熱水道費は、子どもの人数が増えるほど金額が上昇する傾向にある。子どもが3人以上いる世帯では、食費は88,357円と高額で、消費支出に占める割合も29.8%と、他の世帯より高くなっている。また、光熱水道費も子どもの人数に応じて増加し、子1人世帯の18,949円から子2人世帯では20,721円と上昇している。

教育費と日常生活費の特徴

教育費は子どもの人数による影響が顕著にあらわれている。夫婦と子と親の世帯では教育費が51,640円と最も高く、消費支出の12.1%を占めている。これは子1人世帯の5.2%と比べると、割合でみても2倍以上の負担となっている。一方で、教養娯楽費は片親と子の世帯で12.3%と高く、子育て世帯でも余暇活動への支出が確保されている。

家計改善に向けた分析

住居費と光熱水道費の関係に注目すると、効率的な支出のヒントが見えてくる。子どもが3人以上の世帯では、住居費が消費支出の1.6%と極めて低い一方、片親と子の世帯では9.9%と高くなっている。これは世帯人数の違いによる住居費の負担の差を示している。また、夫婦と子と親の世帯では、住居費は8.6%と比較的高いものの、世帯収入も多く、可処分所得は561,661円と最も高くなっている。

まとめ：家族構成別の支出傾向から学ぶポイント

愛知県の家族構成別の支出データからは、世帯構成による家計支出の特徴が明確にあらわれている。単身世帯では住居費の負担が22.0%と極めて高く、子育て世帯では子どもの人数に応じて食費や教育費の割合が上昇する傾向にある。一方で、三世代同居など世帯人数が多い家庭では、光熱水道費や家具・家事用品費などで一人あたりの負担が軽減されている。

また消費支出の内訳は、子どもの人数や世帯構成によって大きく異なっている。たとえば、子ども2人の世帯では教育費が消費支出の10.5%を占める一方、夫婦とその親の世帯では食費が28.5%と高くなっており、世帯の特性に応じた支出の優先順位がみられる。