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【年収700万円】上位何パーセント?40代・50代の割合や生活費の実態も解説

年収700万円のライフプランとマネー戦略を示すアイキャッチ画像。ピンク背景に白い猫のイラストと「年収700万円 ライフプランとマネー戦略」の文字が描かれている。 ライフプラン
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年収700万円は一部上場企業の平均年収に相当する水準だが、40代・50代のライフステージによって生活の充実度は大きく異なる。住宅ローン返済や教育費、老後資金の準備など、セカンドライフを見据えた家計管理が重要になってくる時期である。

この記事では、40代・50代の年収700万円という収入の位置づけを分析し、教育費や住宅ローン返済、老後準備などを踏まえた効果的な生活設計について解説する。

執筆者・監修者
十河 賢

○ ファイナンシャルプランナー
○ CFP保有者
○ 宅建士(未登録)
○ 証券外務員二種 など
○ 保険募集人の経験あり

年収700万円は上位何パーセント?

世帯年収や年齢層によって年収700万円の位置づけは大きく異なる。全世帯での分布状況と、40代から50代までの年齢層別の特徴から、年収700万円の到達状況を詳しく見ていく。

年収700万円の割合:全世帯での位置づけ

厚生労働省「国民生活基礎調査(2023年)」:世帯数の相対度数分布-累積度数分布,年次・所得金額階級別
所得階級累積割合上位からの割合
2000万円以上1.3%上位1.3%
1500~2000万円3.1%上位3.1%
1200~1500万円6.8%上位6.8%
1100~1200万円9.0%上位9.0%
1000~1100万円11.7%上位11.7%
900~1000万円15.3%上位15.3%
800~900万円19.9%上位19.9%
700~800万円25.7%上位25.7%
600~700万円32.0%上位32.0%
500~600万円40.5%上位40.5%
400~500万円51.2%上位51.2%
300~400万円64.1%上位64.1%
200~300万円78.5%上位78.5%
200万円未満100.0%

厚生労働省の「国民生活基礎調査」のデータによると、年収700~800万円は上位25.7%に位置しており、約4人に1人が到達している年収水準である。40代・50代では特に多く見られるこの年収層は、全世帯の中で相対的に見ても良好な位置にある。その上下の年収層を見ると、600~700万円が上位32.0%、800~900万円が上位19.9%となっている。

特徴的なのは、1000万円を超える世帯は全体の約11.7%にとどまり、1500万円以上となると3.1%まで減少することである。40代・50代のキャリアピークを迎える年代であっても、年収1000万円を超えるのは容易ではないことが分かる。一方で、年収200~300万円の層は上位78.5%に位置しており、定年後や収入が減少した世帯もここに含まれている。

このように、年収700万円台は平均的な収入を大きく上回る水準にあり、40代・50代にとっては教育費や住宅ローンの返済後に老後資金を確保できるかどうかの分岐点ともいえる収入レベルである。ただし、後述するように世帯構成や居住地域、ローン残高などによって実質的な生活水準は大きく異なってくる。

年収700万円の割合:年代別・年齢層の比較

厚生労働省「国民生活基礎調査(2023年)」:世帯主の年齢(10歳階級)・世帯人員1人当たり所得金額階級別
世帯人員1人当たり
所得金額階級
全年齢20代以下30代40代50代
1000万円以上0.9%0.0%0.7%0.6%1.8%
900~1000万円0.4%0.0%0.0%0.6%0.9%
800~900万円0.6%0.0%1.7%1.0%1.4%
700~800万円1.3%0.0%1.7%2.1%4.0%
600~700万円1.9%0.6%3.4%2.5%5.0%
500~600万円3.2%5.0%9.2%5.2%5.1%
400~500万円6.6%12.6%10.3%6.9%11.0%
300~400万円11.9%17.0%14.0%12.4%18.8%
200~300万円23.2%21.4%22.6%26.8%22.6%
200万円未満49.8%43.4%36.3%41.9%29.4%

年収700万円台(世帯人員1人当たり所得700~800万円)の割合を年齢層別にみると、20代では0.0%にとどまるのに対し、40代で2.1%、50代では4.0%まで上昇している点が注目に値する。特に50代での割合が高いのは、長年のキャリアと役職の上昇による収入増加を反映していると考えられる。

全体的に年齢層が上がるにつれて高所得者の割合が増加する傾向がみられ、特に50代では1000万円以上の所得層が1.8%と他の年代を上回っている。これは管理職への昇進や役員就任などキャリアのピークを迎える時期であることを反映している。一方で、50代でも300~400万円台が18.8%と比較的高い割合を示しており、キャリアの変化による収入減少や早期退職などの影響も見られる。

40代と50代を比較すると、40代では200万円未満の層が41.9%であるのに対し、50代では29.4%と低くなっている。これは、子育て世代である40代では世帯人員数が多いために1人当たりの所得が分散されやすいのに対し、50代では子どもの独立などにより世帯人員が減少傾向にあることが影響していると考えられる。

40代・50代の収入ピークとその後の変化

40代・50代は多くの人にとって収入のピークを迎える時期である。キャリアアップによる基本給の上昇や役職手当の増加により、年収700万円以上の層に到達する確率が高まる。しかし、企業の役職定年制や早期退職優遇制度により、50代後半から収入が減少に転じるケースも少なくない。

50代の所得分布を見ると、年収700~800万円の層が4.0%であるのに対し、600~700万円の層が5.0%と逆転している点も、収入のピークアウトが始まっていることを示唆している。

このような収入変化を踏まえると、40代・50代の年収700万円という水準は、キャリアの集大成として位置づけられると同時に、今後訪れる可能性のある収入減少期を見据えた資産形成の重要な時期でもある。特に50代においては、現役最後の貯蓄強化期間として、年収700万円の活用方法が老後生活の質を左右することになる。

FP
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専門家のワンポイントアドバイス
40代・50代の年収700万円は、老後資金の形成にとって重要な時期です。収入のピークから下降に転じる前に、計画的な資産形成を始めましょう。

年収700万円の生活レベル!40代・50代の手取額と支出バランス

年収は同じでも、40代・50代の世帯構成によって生活レベルは大きく異なっている。子育て世帯、二人暮らし、単身者のそれぞれの家計状況から、40代・50代の年収700万円の生活実態を見ていく。

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専門家のワンポイントアドバイス
40代・50代は教育費や住宅ローンのピークと老後準備が重なる時期です。収入が増えても、固定費の管理が生活レベルを大きく左右します。

二人暮らし・子育て世帯の生活費の実態

40代・50代の二人以上世帯では、教育費や住宅ローンの負担が大きく、収入帯によって生活費(消費支出)の内訳に違いがみられる。特に大学生の子どもがいる場合は教育費の負担が大きくなる。

統計局「全国家計構造調査(2019年)」(700-750万円帯)
項目金額(月額)割合
勤め先収入470,994円
消費支出292,737円勤め先収入の62%
食費75,618円消費支出の26%
住居費24,627円消費支出の8%
光熱・水道19,467円消費支出の7%
交通・通信46,351円消費支出の16%
教育16,593円消費支出の6%
教養娯楽29,853円消費支出の10%
その他46,319円消費支出の27%
統計局「全国家計構造調査(2019年)」(750-800万円帯)
項目金額(月額)割合
勤め先収入488,539円
消費支出298,723円勤め先収入の61%
食費78,845円消費支出の26%
住居費16,764円消費支出の6%
光熱・水道19,948円消費支出の7%
交通・通信49,587円消費支出の17%
教育17,272円消費支出の6%
教養娯楽29,515円消費支出の10%
その他51,602円消費支出の28%

40代・50代の二人以上世帯では、収入が増えても食費や教育費の割合は安定している一方、交通・通信費は増加する傾向にある。これは、子どもの成長に伴い学校や習い事への送迎、あるいは家族旅行などの移動費用が増加することが要因と考えられる。

住居費については、40代・50代では住宅ローンの返済が進んでいる場合が多く、700-750万円帯では8%、750-800万円帯では6%と比較的低い水準となっている。これは若年層と比較して住宅取得からの経過年数が長いことが影響していると考えられる。

教育費は消費支出の6%程度だが、大学生の子どもがいる場合は一時的に大きく上昇する。特に私立大学の場合、月額の教育費が倍増することも珍しくなく、預貯金の取り崩しが必要になることが多い。40代後半から50代前半は子どもの大学進学と重なり、教育費の負担がピークを迎える時期でもある。

独身(シングル)50代の生活費と貯蓄バランス

40代・50代の単身世帯では、住居費の占める割合が高く、老後に向けた資産形成が課題となる。また、勤労収入のピークを迎える時期であるため、収入の使い方がその後の生活に大きく影響する。

統計局「全国家計構造調査(2019年)」(700-750万円帯)
項目金額(月額)割合
勤め先収入440,068円
消費支出260,432円勤め先収入の59%
食費56,583円消費支出の22%
住居費38,451円消費支出の15%
光熱・水道9,980円消費支出の4%
交通・通信35,957円消費支出の14%
教養娯楽34,024円消費支出の13%
その他36,949円消費支出の32%
統計局「全国家計構造調査(2019年)」(750-800万円帯)
項目金額(月額)割合
勤め先収入479,963円
消費支出241,859円勤め先収入の50%
食費59,289円消費支出の25%
住居費51,302円消費支出の21%
光熱・水道10,181円消費支出の4%
交通・通信26,196円消費支出の11%
教養娯楽27,390円消費支出の11%
その他46,417円消費支出の28%

40代・50代の単身世帯では、収入が増えると住居費(家賃・ローン)の割合が15%から21%に上昇している点が特徴的である。これは老後を見据えて良質な住環境への投資を行う傾向の表れである。

注目すべきは、750-800万円帯では消費支出が収入の50%にとどまっており、理論上は残りの50%を貯蓄や投資に回せる計算になることだ。これは二人以上世帯の61-62%と比較して低い割合であり、単身者の方が老後資金の形成に有利な面がある。

しかし、実際には後述するように預貯金の取り崩しやクレジット利用が多い傾向もあり、表面上の数字だけでは判断できない。40代・50代の単身者は、親の介護費用や自身の将来の医療費など、見えない支出リスクも考慮した家計管理が求められる。教養娯楽費が11-13%と比較的高めな点は、自分自身への投資や趣味を大切にする単身者のライフスタイルを反映している。

40代・50代の手取り収入と税負担の実際

年収700万円の40代・50代では、社会保険料や所得税・住民税などの非消費支出が増加し、実際の手取り額は収入よりも大幅に少なくなる。特に40代・50代では収入のピークを迎えるため、税負担も最も重くなる時期である。

年収700万円の40代・50代では、毎月約9~10万円が税金や社会保険料として差し引かれ、実質的な手取り額は年収の約80%程度になる。単身世帯の方が控除が少ない分、税負担率がやや高くなる傾向がある。

特に40代・50代では役職手当などの増加により収入が上昇するが、それに伴って所得税の累進課税率も上がるため、手取り割合は若年層より低くなりがちである。これに加え、2024年以降の社会保険料率の引き上げにより、手取り額はさらに減少傾向にある。

また、住宅ローンの返済が進むと住宅ローン控除も減少していくため、返済額は変わらなくても手取り収入が減少するケースも見られる。40代・50代の家計管理では、このような税負担の変化も考慮した計画が重要となる。

年収700万円で生活が苦しい原因と対策

年収700万円台は上位4分の1に位置づけられる水準だが、40代・50代では様々な負担が重なり、実際の家計は預貯金の取り崩しやクレジット利用が目立っている。世帯別の実態から、40代・50代の生活を圧迫する要因を探っていく。

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専門家のワンポイントアドバイス
40代・50代は収入がピークを迎える一方で支出も最大になる時期です。預貯金の取り崩しが習慣化すると、老後資金が大きく目減りします。

40代・50代が貯金を取り崩す主な理由

40代・50代の世帯では、教育費のピークや親の介護費用など、この年代特有の支出が増加傾向にある。収入以外の資金調達が家計の大きな特徴となっている。

統計局「全国家計構造調査(2019年)」(700-750万円帯)
項目金額(月額)補足
実収入以外の受取379,057円資産減少や負債増加を伴う収入
うち預貯金引出293,701円全体の77%
うちクレジット購入借入金77,960円全体の21%
非消費支出87,558円税金・社会保険料など
統計局「全国家計構造調査(2019年)」(750-800万円帯)
項目金額(月額)補足
実収入以外の受取397,163円資産減少や負債増加を伴う収入
うち預貯金引出309,524円全体の78%
うちクレジット購入借入金80,619円全体の20%
非消費支出95,037円税金・社会保険料など

40代・50代の世帯では、月々の支払いのうち約35%を預貯金の取り崩しで賄っており、収入が増えてもこの傾向に変化はなく、むしろ金額は増加している点に注意が必要である。

この世代で預貯金を取り崩す主な理由としては、以下が挙げられる:

  1. 教育費の増大:子どもの大学進学や留学費用など、一時的に大きな支出が必要になる
  2. 親の介護費用:40代後半から50代にかけて、親の介護が必要になるケースが増加する
  3. 住宅のリフォーム:築年数が経過した住宅の修繕やリフォームの必要性が高まる

これらの支出は計画的に準備できるものもあれば、突発的に発生するものもある。問題は、一時的な取り崩しのつもりが常態化し、本来は老後のために確保すべき資産が徐々に減少していくことである。40代・50代は収入のピークを迎える時期であると同時に、将来への資産形成が最も重要な時期でもあるため、預貯金の取り崩しには慎重な計画が必要となる。

セカンドライフに向けた住居費の見直し

40代・50代は、住宅ローンの完済や住み替えなど、住居に関する重要な決断を行う時期でもある。セカンドライフを見据えた住居費の見直しが、将来の生活水準を大きく左右する。

住宅ローンの返済が終わりに近づく50代では、住居費が6-8%と低い水準になる傾向がある一方、単身者では住居費が15-21%と高い状態が続くことが多い。

住宅ローンを完済した場合、その分を老後資金として積み立てる選択肢がある。例えば、月15万円の住宅ローンを完済した場合、その半分を老後資金として積み立てると、10年間で900万円の資産形成が可能になる。

また、子どもの独立後に広い家が不要になった場合は、ダウンサイジング(より小さな住居への住み替え)も一つの選択肢となる。特に都市部の戸建てからマンションへの住み替えや、郊外への移住などで住居費を削減し、その差額を老後資金に回すことで、資産形成と生活コストの削減の両方を実現できる。

一方、50代の単身者で賃貸住宅に住む場合は、老後の住居費負担を考慮した計画が必要となる。家賃の支払いは一生続くため、年金受給後の家計を圧迫する要因となりうる。可能であれば、50代のうちに住宅購入を検討するか、家賃負担の少ない地域への移住を視野に入れた計画を立てることが望ましい。

40代・50代のクレジットカード利用と借入金の実態

40代・50代では、クレジットカードの利用額も増加傾向にある。特に、収入のピークを迎えるこの時期は、ライフスタイルの向上に伴い支出も増加しがちである。

統計局「全国家計構造調査(2019年)」(700-800万円帯)
項目二人以上世帯単身世帯
クレジット購入借入金約7.9万円約8.6万円
対収入比率約16%約19%

40代・50代の単身世帯では月平均8.6万円、二人以上世帯でも7.9万円のクレジット購入借入金が発生しており、収入の約16-19%に相当する支出がクレジットカード決済となっている。

クレジットカードの活用自体は、ポイント還元やキャッシュレス化による利便性向上などメリットも多い。問題は、リボ払いなどの分割払いに頼りすぎて実質的な借入が増加するケースである。40代・50代は信用力も高いため、カード枠も大きく設定されていることが多く、気づかないうちに高額な利用となることがある。

特に注意が必要なのは、退職金や老後資金を見込んだ「将来払い」の考え方である。「今は収入が多いから」「将来は退職金があるから」という考えで支出を増やすと、結果的に老後資金が大きく目減りするリスクがある。

40代・50代のクレジットカード利用においては、毎月の利用額を明確に把握し、可能な限り一括払いを選択すること、また定期的な家計の見直しを行い、不要なサブスクリプションやカード払いの自動更新サービスなどを整理することが重要となる。特に、退職を控えた50代後半では、将来の収入減少を見据えた支出の見直しが不可欠である。

年収700万円の家計管理術!40代・50代のマネープラン

40代・50代の年収700万円世帯では、老後に向けた資産形成と現在の生活水準のバランスが重要となる。このセクションでは、教育費や住宅ローンの負担が大きい40代・50代のライフステージに合わせた効果的な家計管理法を提案する。

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専門家のワンポイントアドバイス
現在の支出と将来の備えのバランスが大切です。無理な節約よりも、優先順位をつけた効率的な支出管理を心がけましょう。

40代・50代の生活費の見直しポイント

40代・50代の家計では、子どもの教育費や住宅ローンなどの固定費が大きな割合を占めるため、これらの支出を見直すことで大きな効果が期待できる。年収700万円を最大限に活かすための具体的な見直しポイントを見ていこう。

食費は消費支出の26%を占める大きな支出項目であり、40代・50代世帯では月々約7.5万円から7.9万円に達する。食費の見直しは家計改善への近道である。

具体的な食費節約のポイントとしては、以下が挙げられる:

  • まとめ買いと計画的な献立作り:週単位でメニューを計画し、食材の無駄を減らす
  • 食品ロスの削減:冷蔵庫の整理整頓と食材の使い切り
  • 外食や中食の頻度見直し:持ち寄りパーティーや自宅での食事会など

40代・50代特有の支出として、交際費や冠婚葬祭費なども増加する傾向にある。これらは「その他」の費目に含まれることが多いが、月々の支出では約5万円前後となる重要な項目である。交際費については、会食の頻度や金額を見直す、あるいは役割分担を提案するなどの工夫が有効である。

また、40代・50代では子どもの教育費負担が大きいが、奨学金や教育ローンなどの活用も選択肢となる。特に国の教育ローンは金利が低く、教育費の平準化に役立つ。ただし、借入は将来の返済負担を伴うため、子どもの進路や家計の状況を総合的に判断する必要がある。

交通・通信費については、家族割引プランの見直しや、不要なサブスクリプションサービスの解約などで、月々数千円の節約につながることも少なくない。特に50代では、子どもの独立により家族割引の内容が変わることもあるため、定期的な見直しが重要である。

住宅ローン完済後の資金活用術

多くの40代・50代世帯にとって、住宅ローンの完済は大きな転機となる。支出の大きな部分を占めていた住宅ローン返済が終わると、その資金をどう活用するかが老後の生活水準を左右する重要な決断となる。

住宅ローン完済後は、これまでの返済額の少なくとも半分程度を老後資金として積み立てることが理想的である。例えば月15万円の返済が終わった場合、7-8万円を資産形成に回すことで、10年で約1,000万円の資産増加が期待できる。

住宅ローン完済後の資金活用法としては、以下のような選択肢がある:

  1. iDeCoやつみたてNISAなどの非課税制度を活用した資産形成
  2. 住宅のリフォームや修繕積立金の確保
  3. 老後の医療費や介護費用のための積立

特に50代で住宅ローンが完済できた場合、退職までの期間が限られているため、リスクを抑えた運用が重要となる。株式と債券のバランスを考慮したポートフォリオ構築や、定期預金とつみたてNISAの併用など、安全性と収益性のバランスを意識した資産配分が望ましい。

また、住宅ローンの繰り上げ返済も一つの選択肢である。特に50代前半で住宅ローンの残債がある場合、退職前の完済を目指すことで、退職後の負担を軽減できる。繰り上げ返済と資産形成のバランスを考慮し、金利情勢や自身のライフプランに合わせた判断が求められる。

老後資金を確保するための貯蓄・投資バランス

40代・50代は老後資金形成の最後のチャンスとも言える時期である。年収700万円という比較的恵まれた収入を活かし、効率的な資産形成を行うことが重要となる。

老後資金形成においては、月々の収入の15-20%程度を貯蓄・投資に回すことが理想的とされる。年収700万円の場合、月々9-12万円の積立が目標となる。

40代・50代の資産運用では、リスクとリターンのバランスが特に重要である。若年層と比べて運用期間が短いため、過度なリスクは避けつつも、インフレに負けない運用を心がける必要がある。具体的な資産配分の目安としては:

  • 40代:株式60-70%、債券20-30%、現金10%程度
  • 50代前半:株式50-60%、債券30-40%、現金10-20%程度
  • 50代後半:株式40-50%、債券40-50%、現金10-20%程度

このように、年齢が上がるにつれてリスク資産の割合を徐々に減らしていくことが基本となる。ただし、これはあくまで目安であり、個人の退職時期やリスク許容度、他の収入源の有無などによって調整する必要がある。

特に40代・50代では、税制優遇制度を最大限に活用することが効率的な資産形成のカギとなる。iDeCo(個人型確定拠出年金)は60歳までの拠出で所得控除が受けられ、つみたてNISAは長期投資によって非課税メリットが大きくなる。これらを組み合わせることで、税負担を抑えながら効率的な資産形成が可能となる。

また、50代では退職金の運用も重要なテーマとなる。退職金の一部を住宅ローンの繰り上げ返済に充てる、あるいは分散投資によって資産を増やすなど、将来の生活設計に合わせた活用方法を検討することが望ましい。

まとめ:年収700万円の40代・50代に必要な資産形成と生活設計

年収700万円台は全世帯の上位25.7%に位置する比較的恵まれた収入水準であるが、40代・50代のライフステージでは様々な支出が重なるため、計画的な資金管理が不可欠である。

40代・50代では子どもの教育費がピークを迎え、同時に老後資金の形成も急務となる。統計データから明らかなように、二人以上世帯では食費と交通・通信費で生活費の42%を占めており、これらの支出管理が家計改善の鍵となる。一方、単身世帯では住居費の負担が大きく、収入が増えるほどその傾向が強まっている。

注目すべき点は、どちらの世帯でも預貯金の取り崩しやクレジット購入借入金が増加傾向にあることである。特に40代・50代では月29万円を超える預貯金の取り崩しが見られ、これは老後資金形成の大きな障害となっている。

収入のピークを迎えるこの時期は、将来の収入減少に備えた準備も重要となる。特に50代後半では役職定年や早期退職などによる収入減少の可能性も考慮し、固定費の見直しや資産の流動性確保などを行うことが望ましい。

40代・50代の年収700万円世帯にとって最も重要なのは、現在の生活の質を保ちながらも、将来の備えとのバランスを取ることである。収入の約15-20%を資産形成に回し、預貯金の取り崩しを最小限に抑えることで、老後の生活不安を軽減することができる。

長期的な視点で見ると、40代・50代はキャリアの集大成であると同時に、老後への橋渡し期間でもある。年収700万円という収入を活かし、計画的な支出管理と効率的な資産形成を心がけることで、セカンドライフへの円滑な移行が可能となるだろう。

よくある質問

Q
年収700万円の40代・50代でも預貯金を取り崩すのは問題ですか?
A

教育費など一時的な大きな支出のための計画的な取り崩しは問題ありませんが、月29万円を超える恒常的な取り崩しは老後資金に大きな影響を与えます。特に40代・50代は資産形成の最後のチャンスですので、取り崩しの頻度と金額を意識的に管理することが重要です。

Q
50代で住宅ローンが残っている場合、繰り上げ返済と投資どちらを優先すべきですか?
A

理想的には退職までにローンを完済することをお勧めします。住宅ローンの金利が低い場合は、返済と投資のバランスを取りながら進めるのが良いでしょう。例えば、余剰資金の半分を繰り上げ返済に、もう半分をiDeCoやつみたてNISAなどの税制優遇制度を活用した投資に回すといった方法が考えられます。

Q
40代・50代の年収700万円では、月にいくら貯蓄するのが理想的ですか?
A

一般的には収入の15-20%程度、つまり年収700万円の場合は月9-12万円程度の貯蓄・投資が理想的です。ただし、教育費や住宅ローンの負担が大きい時期は一時的に少なくなることもあります。重要なのは、毎月一定額を自動的に積み立てる習慣をつけることです。特に50代では老後までの期間が限られているため、可能な限り積立額を増やす努力が必要です。

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