スマホやキャッシュレス決済、インターネット回線など、様々なサービスを一つの経済圏で管理すると、ポイント還元や割引特典によって家計の節約につながる。
特に大手キャリアのauとドコモは、独自の経済圏を構築し、通信サービスを軸にした生活インフラを提供している。
どちらの経済圏が自分に合っているか、3つの観点から徹底比較しよう。
通信サービス連携の比較
スマホと光回線の連携は、経済圏を構成する重要な要素である。両社がどのようなサービス連携や割引制度を提供しているか、料金とサービス内容の観点から比較していこう。

専門家のワンポイントアドバイス:
通信会社を選ぶ際は、現在契約中の光回線やクレジットカードも含めて考えましょう。これらをまとめて同じキャリアに揃えることで、割引額が最大化されます。特に家族で複数回線を利用している場合、キャリアをそろえるだけで年間数万円の節約になることも珍しくありません。
モバイルサービスの料金比較
両社のメインブランドの料金を、データ無制限対応プラン、光回線セット、家族割適用の場合で比較してみよう。
項目 | au | ドコモ |
---|---|---|
プラン名 | 使い放題MAX+ 5G | eximo |
基本月額料金 | 7,458円 | 7,315円 |
光回線セット割 | △ 1,100円※1 | △ 1,100円※1 |
家族割引 | △ 1,100円※2 | △ 1,100円※2 |
カード支払割引 | △ 550円※3 | △ 187円※3 |
その他割引 | 各種キャンペーンあり | 各種キャンペーンあり |
最終月額料金 | 4,708円 ~ | 4,928円 ~ |
※2:「家族割プラス」適用時(3回線以上の場合)/「みんなドコモ割」適用時(3回線以上の場合)
※4:au PAYカード支払いの場合/「dカードお支払割」適用時
料金体系は似ているが、差がある点として、使用データ量が少なかった場合の対応にある。
- au:1GB以下の利用月は1,650円の自動割引が適用される(5,808円になる)。
- ドコモ:1GB以下なら4,565円、1GB超〜3GB以下なら5,665円となる。
以上を踏まえると、次のようなことが言える。
ただし、条件や比較対象によって結論は変わるため、自身の状況を踏まえて判断しよう。
モバイルサービスの特徴比較
次に、サービス内容や特徴を比較してみよう。
項目 | au | ドコモ |
---|---|---|
通話料金 | 30秒22円 (家族間無料) | 30秒22円 (家族間無料) |
通話オプション | 5分無料:880円/月 かけ放題:1,980円/月 | 5分無料:880円/月 かけ放題:1,980円/月 |
サポート体制 | 店頭サポート無料 | 店頭サポート無料 |
テザリング | 無料・無制限 | 無料・無制限 |
ポイント特典 | auマネ活プランで ポイント還元 | eximoポイ活で ポイント還元 |
特別還元日 | たぬきの吉日(5・8・15・25日) | 特定の還元キャンペーンあり |
最大ポイント還元率 | 最大10% (au PAY ゴールドカード利用時) | 最大10 ~ 20% (dカード PLATINUM利用時) |
公式サイト キャンペーン情報 | au PAY ゴールドカード | dカード PLATINUM |
光回線連携のメリット比較
光回線との連携による割引や特典を比較しよう。
項目 | auひかり | ドコモ光 |
---|---|---|
割引名称 | auスマートバリュー | ドコモ光セット割 |
割引額 | 最大1,100円/月 | 最大1,100円/月 |
適用条件 | auまたはUQモバイル契約者 | ドコモ、irumoユーザー |
家族適用 | 10回線まで | 家族全員 |
初期費用割引 | 最大41,250円割引 | 新規工事料相当の dポイント贈呈 |
乗り換え特典 | 違約金最大30,000円還元 | 最大25,000pt還元 |
代理店特典 | キャッシュバックなど | キャッシュバックなど |
特典申請手続き | キャンペーンにより異なる | キャンペーンにより異なる |
家族・複数回線の割引制度
家族で利用する場合の割引制度も重要なポイントとなる。
項目 | au | ドコモ |
---|---|---|
家族割名称 | 家族割プラス | みんなドコモ割 |
割引額(3回線以上) | 1,210円/月 | 1,100円/月 |
通話特典 | 家族間通話無料 | 家族間通話無料 |
対象回線数 | 10回線まで | 20回線まで |
対象範囲 | 原則、同居家族 離れて暮らす家族(50歳以上) | 事実婚や同性パートナーも対象 |
その他特典 | 家族間データシェア可能 | 家族間でdポイント共有可能 |
通信面では、両社とも高品質なサービスと充実したサポートを提供している。基本料金体系は異なり、auは定額制に近く使用量が少ない月は割引が入る形式、ドコモは使用量に応じて段階的に料金が変わる仕組みとなっている。
光回線との連携による割引額は両社とも同等だが、申込方法や特典内容には違いがある。家族割引も充実しており、複数回線契約で大きな節約が可能である。
ポイントシステムの比較
ポイントシステムは経済圏の魅力を大きく左右する要素である。両社のポイント還元率や特典内容、使い道の違いを詳しく見ていこう。
ポイントの基本構造と特徴
両社のポイントプログラムには、それぞれ特徴がある。基本的な仕組みを比較しよう。
項目 | Pontaポイント(au) | dポイント(ドコモ) |
---|---|---|
ポイント価値 | 1ポイント=1円 | 1ポイント=1円 |
基本還元率 | 0.5%(200円ごとに1ポイント) | 0.5%(200円ごとに1ポイント) |
有効期限 | 最後のポイント変動日から1年間 | 獲得から48ヶ月間 |
ポイントカード | Pontaカード(実店舗提示用) | dポイントカード(実店舗提示用) |
ランク制度 | あり(4段階) | あり(5段階) |
対象範囲 | Ponta提携店 | dポイント加盟店 |
オプションサービス | Pontaパス(月額548円) | なし |
特別還元プログラムの比較
両社とも独自の特別還元プログラムを実施している。
項目 | au | ドコモ |
---|---|---|
特別還元日 | たぬきの吉日(5・8・15・25日) au PAYでの支払いで還元率アップ | 特定キャンペーン期間に d払いでの支払いで還元率アップ |
対象者と還元率 | au:最大5%還元 UQモバイル:最大3%還元 | プランにより異なる |
ポイント活プラン | auマネ活プラン 月額7,678円で使い放題 月約5万円の買い物で 最大5,000pt還元 | eximoポイ活 月額10,615円で使い放題 月約5万円の買い物で 最大5,000pt還元 |
カード支払いの還元 | au PAYカード:1% au PAYゴールドカード:通信料金10% | dカード:1% dカードGOLD:通信料金10% dカードPLATINUM:通信料金最大20% |
対象店舗・サービス | au PAY加盟店 ローソンなどPonta提携店 | d払い加盟店 dポイント加盟店 |
ポイントの使い道と連携サービス
貯まったポイントの使い道も経済圏選びの重要なポイントとなる。
項目 | Pontaポイント(au) | dポイント(ドコモ) |
---|---|---|
通信料金支払い | 可能 | 可能 |
買い物利用 | Ponta加盟店で利用可能 | dポイント加盟店で利用可能 |
他社ポイント交換 | JALマイルなど | 各種ポイントプログラム |
投資での利用 | 三菱UFJ eスマート証券 | マネックス証券 |
特徴的な使い道 | プチ株・投資信託の購入 | ドコモでんきの支払い |
公共料金支払い | 可能 | 可能 |
オンラインショッピング | au PAYマーケット | dショッピング |
ポイントシステムでは、au側のPontaポイントは「たぬきの吉日」という定期的な特別還元日が特徴的で、ローソンなどの提携店での利便性が高い。一方、ドコモのdポイントは有効期限が48ヶ月と長く、ランク制度があることで継続利用のメリットが大きくなる。どちらも1ポイント=1円で使用でき、投資や公共料金など幅広い用途に活用可能である。

専門家のワンポイントアドバイス:
ポイントを貯めるだけでなく、効率的に使うことも重要です。特にPontaポイントとdポイントはどちらも投資に使えるのが大きな特徴です。少額から投資を始められるので、将来の資産形成を考えている方は積極的に活用してみてください。月に5,000円相当のポイントを20年間投資すると、運用次第で200万円以上になる可能性もあります。
金融・決済サービスの比較
キャッシュレス決済や金融サービスも、経済圏選びの重要な判断材料となる。両社の決済サービスや提携金融機関の特徴を比較し、メリットを見極めよう。
QR/スマホ決済サービスの比較
スマホ決済は経済圏の中心的サービスの一つ。利便性や加盟店数を比較してみよう。
カードサービスの比較
両社ともクレジットカードを発行している。還元率や年会費を比較しよう。
項目 | au PAYカード | dカード |
---|---|---|
年会費(標準) | 無料 | 無料 |
年会費(ゴールド) | 11,000円 | 11,000円 |
年会費(プラチナ相当) | なし | 29,700円 (dカード PLATINUM) |
通常還元率 | 1.0% | 1.0% |
通信料金還元率 | 最大10%(ゴールド) | 最大20%(PLATINUM) |
国際ブランド | Visa/Mastercard | Visa/Mastercard |
ETCカード | 550円 | 無料 |
家族カード | 無料 | 無料 |
保険サービス | 海外旅行保険など | 海外旅行保険など |
銀行・証券サービスの比較
金融サービスも経済圏の重要な要素。資産形成との連携を比較しよう。
項目 | au経済圏 | ドコモ経済圏 |
---|---|---|
提携銀行 | auじぶん銀行 | 三菱UFJ銀行(dスマートバンク) |
銀行特典 | 最大15倍のポイント優遇 | 年間最大1,860ポイント獲得可能 |
提携証券会社 | 三菱UFJ eスマート証券 | マネックス証券 |
投資特典 | 投資信託保有でポイント付与 | 投資信託保有でポイント付与 |
ポイント投資 | Pontaポイントで投資可能 | dポイントで投資可能 |
AI運用 | なし | THEO+ docomo |
ローン優遇 | 住宅ローン金利優遇 | なし |
金融・決済サービスでは、決済面では両社とも同等の利便性を提供しているが、証券サービス面では若干の違いがある。
auはじぶん銀行との連携による住宅ローン金利優遇、ドコモはdカード PLATINUMによる通信料金の高還元率がそれぞれ特徴的である。いずれもポイントを使った投資が可能で、資産形成との親和性が高い点は共通している。

専門家のワンポイントアドバイス:
各経済圏のクレジットカードは、そのキャリアの通信料金の支払いに使うことで特に高い還元率が得られます。たとえば、年間の通信費が家族合わせて20万円の場合、au PAYゴールドカードなら最大2万円、dカード PLATINUMなら最大4万円のポイント還元を受けられる計算になります。高還元率の特典を最大限活用しましょう。
auがおすすめの人
以下のような人には、au経済圏がおすすめである。
- ローソンをよく利用する人:Pontaポイントの還元率が高く、Pontaパスでさらに特典が受けられる
- auひかりユーザー・検討者:auスマートバリューでの割引、高額キャッシュバックが魅力
- UQモバイルの料金プランが合う人:コストパフォーマンスに優れたUQモバイルを利用しながら経済圏のメリットを享受
- 変動するデータ使用量の人:povoのトッピング方式で必要な時だけデータ購入が可能
- Ponta提携店での買い物が多い人:たぬきの吉日の特別還元やPonta提携店での優待を活用できる
- auじぶん銀行での住宅ローン検討者金利優遇や審査優遇の特典を受けられる
- 三菱UFJ eスマート証券で資産運用したい人投資信託の保有でポイント付与、ポイントでの投資が可能
ドコモがおすすめの人
以下のような人には、ドコモ経済圏がおすすめである。
- ドコモ光ユーザー・検討者:ドコモ光セット割による割引が適用される
- dカード GOLD/PLATINUMを活用したい人:通信料金への高還元率(最大20%)が魅力
- ポイント有効期限の長さを重視する人:dポイントは48ヶ月と長期間有効
- 大容量データを格安で使いたい人:ahamoの30GB/110GBプランがコスパ良好
- データ使用量の少ない人:irumo 0.5GBは月額550円からと格安
- dポイント加盟店での買い物が多い人:還元率アップの恩恵を受けやすい
- マネックス証券で資産運用したい人:dポイントとの連携で投資可能
- 節約志向の強い人:低価格プランと豊富な割引の組み合わせで通信費を抑えられる
まとめ:自分のライフスタイルに合った経済圏を選ぼう
au経済圏とドコモ経済圏は、通信サービス、ポイントシステム、金融・決済サービスのそれぞれで特徴がある。どちらが自分に合っているかは、普段の生活スタイルや利用頻度の高いサービスによって異なる。
通信面では、データ使用量や家族での利用状況、光回線との連携の有無を考慮して選ぶとよい。ポイント面では、Pontaポイントは「たぬきの吉日」の特別還元日が魅力的で、dポイントは有効期限の長さが特徴的である。金融・決済面では、日常的に利用する決済手段や、資産形成のニーズに合わせた選択が重要となる。
経済圏を最大限に活用するには、通信・ポイント・金融の各サービスを組み合わせることで、相乗効果を生み出すことが鍵である。自分のライフスタイルに合った経済圏を選び、賢く活用して家計の節約につなげよう。
- Qauとドコモどちらの方が通信料金は安いですか?
- A
データ無制限プランでは、割引を最大限適用した場合、auの「使い放題MAX+ 5G」が4,708円~、ドコモの「eximo」が4,928円~となります。ただし、データ使用量が3GB以下になる月はドコモの方が有利になり、1GB以下なら4,565円まで下がります。自分の利用状況に応じて選ぶことが大切です。
- Qポイント還元率が高いのはどちらですか?
- A
au PAYゴールドカード利用時はau通信料金で最大10%還元、dカードPLATINUM利用時はドコモ通信料金で最大20%還元が可能です。基本還元率は両社とも0.5%ですが、特別還元日「たぬきの吉日」はau経済圏、ポイント有効期限の長さ(48ヶ月)はドコモ経済圏が優位性を持っています。
- Q家族割引はどちらがお得ですか?
- A
3回線以上の場合、auの「家族割プラス」は月額1,210円の割引、ドコモの「みんなドコモ割」は月額1,100円の割引となります。auは10回線まで対象なのに対し、ドコモは20回線まで対象です。また、ドコモは事実婚や同性パートナーも対象となるなど、適用範囲が広い特徴があります。