4〜6歳(小学校入学前)の子どもの教育費シミュレーション:11年間の費用と準備のポイント

子育てママ・パパのための知っておきたい教育資金の準備方法 教育費
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小学校入学を目前に控え、子どもの教育費について不安を感じている親は多い。6歳から始める教育費の準備は、時間的な制約があるものの、適切な方法を選べば十分に間に合う可能性がある。

この記事では、6歳から17歳までの11年間にわたる教育費のシミュレーション結果を紹介し、準備期間が短くなることによる影響と効果的な準備方法について解説する。これにより、読者は自身の状況に合わせた具体的な教育費準備のプランを立てるヒントを得ることができる。

教育費400万円の目標設定と意味

教育費の目標額を400万円に設定する理由と、この金額が何をカバーするのかについて説明する。また、実際の必要額が変動する可能性についても触れる。

教育費の目標額を400万円に設定しているのは、私立大学の理系学部の4年間の学費をカバーすることを想定しているためである。この金額は、授業料や入学金などの直接的な学費を主に想定したものであり、生活費や教材費などの付随的な費用は含まれていない。

ただし、実際の必要額は、進学先の地域や生活スタイルによって変動する可能性があるため、余裕を持った準備が望ましい。たとえば、文系学部への進学を考えている場合でも、理系学部の費用を想定しておくことで、より安心した準備ができる。

400万円という目標額は、多くの家庭にとって決して小さな金額ではない。しかし、適切な準備方法を選択し、計画的に資金を積み立てることで、この目標達成に近づくことができる。

6歳からの11年間の教育費シミュレーション結果

6歳から始める11年間の教育費準備のシミュレーション結果を、学資保険、貯蓄、教育ローンの3つの方法で比較する。これらの結果を通じて、各方法の特徴と負担の程度を理解し、自身の状況に適した準備方法を選択するための参考とすることができる。

CFP歴10年超
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専門家のワンポイントアドバイス
教育費の準備は早ければ早いほど良いですが、6歳からでも十分間に合います。大切なのは、自分の家庭に合った方法を選ぶことです。

学資保険を利用する場合

学資保険は、子どもの教育資金を計画的に準備する方法の一つである。しかし、6歳からの加入では、保険料以上に学資を受け取ることが難しくなり、制約も多くなる点に注意が必要である。

項目金額
毎月の保険料29,380円
払込保険料総額3,878,160円
受取総額4,000,000円
返戻率103.1%

6歳から学資保険に加入する場合、毎月の保険料は29,380円となり、11年間の払込保険料総額は3,878,160円である。これに対し、受取総額は4,000,000円となり、返戻率は103.1%となっている。

ただし、6歳からの加入には、0歳からの加入と比べていくつかの制約がある点に注意が必要である。たとえば、払込期間は限定される商品が増え、17歳での一括受取ができないなどの制限がある。また、返戻率が低くなるため、人によっては学資保険での準備が選択肢にならない場合もある。

貯蓄のみで準備する場合

貯蓄は、教育費準備の基本的な方法の一つである。6歳から17歳までの11年間で400万円を貯蓄する場合のシミュレーション結果は以下のとおりである。

項目金額
毎月の積立額30,303円
11年間の総額4,000,000円

11年間で400万円を貯蓄するためには、毎月30,303円の積立が必要となる。この金額を基に、年収別の負担率を計算すると、年収300万円の場合は12.12%、年収500万円の場合は7.27%、年収800万円の場合は4.55%となる。

貯蓄の最大の特徴は、その柔軟性にある。必要に応じて積立額を増減したり、急な出費が生じた際に一部を引き出したりすることができる。また、預金として安全性が高く、自己管理ができるという点でも魅力的である。

ただし、現在の低金利環境下では、預金の金利はほとんど期待できない。そのため、インフレーションのリスクがあり、長期的には実質的な価値が目減りする可能性がある点に注意が必要である。

教育ローンを利用する場合

教育ローンは、教育資金が必要になった時点で一括して調達できる方法である。ここでは、国の教育ローンを例に、11年返済と17年返済の2つのケースを比較する。

返済期間毎月の返済額返済総額利息と保証料の合計
11年34,800円4,550,900円550,900円
17年24,000円4,870,600円870,600円

11年返済の場合、毎月の返済額は34,800円となり、返済総額は4,550,900円となる。このうち、借入額400万円を除いた550,900円が利息と保証料の合計額となる。年収別の負担率を見ると、年収300万円の場合は13.92%、年収500万円の場合は8.35%、年収800万円の場合は5.22%となる。

一方、17年返済の場合、毎月の返済額は24,000円に減少するが、返済総額は4,870,600円に増加する。利息と保証料の合計額は870,600円となり、11年返済と比べて319,700円増加する。

返済期間を延ばすことで毎月の負担は軽減されるが、総支払額は増加する。たとえば、年収300万円の家庭では、17年返済を選択することで負担率を9.60%まで下げることができる。ただし、長期にわたって返済が続くため、将来の家計設計に影響を与える可能性がある点に注意が必要である。

教育ローンの最大の特徴は、教育資金が必要になった時点で一括して調達できることである。子どもの進学が決まってから準備を始める場合や、他の準備方法で足りない分を補う場合に有効である。

しかし、総支払額が借入額を大きく上回るため、可能な限り事前の準備を行い、借入額を抑えることが望ましい。また、返済が長期にわたるため、その間の収入の安定性も考慮する必要がある。

6歳からの教育費準備:課題と対策

6歳から教育費の準備を始めることには、いくつかの特徴的な課題がある。ここでは、これらの課題と対策、準備期間が短くなることによる影響、そして各準備方法の活用ポイントについて解説する。

6歳からの準備における課題と対策

6歳から教育費準備を始める最大の課題は、準備期間が0歳から始める場合と比べて6年短くなることである。この結果、毎月の積立額や保険料が増加し、家計への負担が大きくなる可能性がある。

対策としては、以下の点が挙げられる。まず、目標額の見直しを行い、必要最小限の金額に絞り込むことが重要である。次に、複数の方法の組み合わせを検討する。学資保険、貯蓄、将来の奨学金などを適切に組み合わせることで、リスクを分散し、柔軟な対応が可能となる。さらに、家計の見直しを行い、固定費の削減や節約により、準備資金を捻出することも効果的である。

CFP歴10年超
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専門家のワンポイントアドバイス
複数の準備方法を組み合わせることで、リスクを分散し、より柔軟な対応が可能になります。家庭の状況に応じて、最適な組み合わせを検討してみましょう。

準備期間が短くなることによる影響と対応策

準備期間が11年に短縮されることで、毎月の負担額が増加する。たとえば、貯蓄の場合、毎月の必要額が30,303円となり、0歳から始める場合と比べて約70%増加する。

この影響に対する対応策として、まず段階的な積立を検討する。最初は少額から始め、徐々に増やしていくことで、急激な負担増を避けることができる。次に、ボーナスの活用が挙げられる。定期的な積立に加え、ボーナス時に追加で積み立てることで、毎月の負担を軽減できる。さらに、柔軟な目標設定も重要である。当初は控えめな目標を設定し、状況に応じて上方修正することで、無理のない準備が可能となる。

各準備方法の6歳からの活用ポイント

学資保険については、6歳からの加入では返戻率が低くなり、制約も増えるため、慎重に検討する必要がある。場合によっては、学資保険以外の方法を選択することも考慮すべきである。

貯蓄は柔軟性が高いため、家庭の状況に応じて調整しやすい。6歳からの開始でも、積立額を徐々に増やしていくなど、柔軟な対応が可能である。また、教育費以外の急な出費にも対応できるメリットがある。

教育ローンは、6歳からの準備でも不足する可能性がある場合の補完的な選択肢として考慮する。ただし、返済期間が長期化する可能性があるため、将来の家計への影響を慎重に検討する必要がある。

これらの方法を適切に組み合わせることで、6歳からでも効果的な教育費準備が可能となる。家庭の状況に応じて、最適な組み合わせを検討することが重要である。

CFP歴10年超
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専門家のワンポイントアドバイス
6歳からの準備では、貯蓄を中心に据えつつ、必要に応じて教育ローンを検討するのが良いでしょう。学資保険は慎重に検討する必要があります。

明治安田生命の学資保険は、子どもの年齢6歳まで加入できます。契約条件などを確認し、検討してみてください。
フコク生命の学資保険は、子どもの年齢7歳まで加入できます。契約条件などを確認し、検討してみてください。

まとめ:6歳からの教育費準備における重要ポイント

準備期間が短くなることによる影響を認識し、早期からの計画的な準備の重要性を理解することが鍵となる。6歳から始めることで、毎月の負担額が増加するため、家計への影響を慎重に検討する必要がある。しかし、この時期からでも適切な方法を選択し、計画的に準備を進めることで、将来の教育費負担を大きく軽減できる可能性がある。

学資保険、貯蓄、教育ローンなど、複数の準備方法を適切に組み合わせることが効果的である。特に、貯蓄の柔軟性を活かしつつ、必要に応じて教育ローンで補完するなど、バランスの取れた準備方法を検討するとよい。

また、教育費の準備は長期にわたるため、定期的に計画を見直し、必要に応じて調整することも重要である。家庭の状況や社会経済状況の変化に応じて、柔軟に対応することが求められる。

最後に、教育費の準備は子どもの将来に関わる重要な課題である。6歳からの準備であっても、計画的に取り組むことで十分な教育資金を確保できる可能性がある。本記事のシミュレーション結果や考察を参考に、自身の状況に合わせた最適な準備方法を見つけ、計画的に実行していくことをおすすめする。早めの準備と柔軟な対応が、子どもの教育の可能性を広げ、家庭の安定にもつながるのである。

Q
6歳からの教育費準備は遅すぎますか?
A

いいえ、遅すぎることはありません。適切な方法を選択し、計画的に準備を進めることで、十分な教育資金を確保できる可能性があります。

Q
学資保険と貯蓄、どちらがおすすめですか?
A

6歳からの準備では、貯蓄の方が柔軟性が高くおすすめです。学資保険は制約が多くなるため、慎重に検討する必要があります。

Q
教育ローンは避けたほうがいいですか?
A

必ずしもそうではありません。他の準備方法と組み合わせて、補完的に利用することで効果的な準備ができる場合もあります。

執筆者・監修者
十河 賢

◇経歴10年以上のウェブライター&ファイナンシャルプランナー
・CFP保有者・SEO検定1級・宅建士・住宅ローンアドバイザー
◇ウェブライティング講座を開講中

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