この記事の詳細版はこちら
子どもの教育費用に不安を感じている家庭は多い。しかし、適切な準備方法を知らないために、効果的な対策を立てられていないことがある。
この記事では、ファイナンシャルプランナーの視点から、６つの教育資金準備方法と３つの選び方の基準を紹介する。これにより、各家庭の状況に合った最適な準備方法を見つけることができるだろう。
この記事の詳細版はこちら
教育資金の6つの準備方法
教育資金を準備するには、さまざまな方法がある。ここでは、おもな6つの方法について、それぞれの特徴や利点、注意点を解説する。
専門家のワンポイントアドバイス：
ここで紹介する準備方法はひとつに絞るのではなく、組み合わせます。子ども誕生時には貯蓄や学資保険、資産運用などで準備し、状況に応じて、教育ローンや奨学金の活用を検討します。
借りる：教育ローンの活用
教育ローンには、国の教育ローンと民間の教育ローンがある。国の教育ローンは日本政策金融公庫が提供する低金利のローンで、民間の教育ローンは各金融機関が提供するものである。教育ローンは必要な時に必要な金額を調達できる利点があるが、返済の負担があるため、家計の状況を考慮して慎重に検討する必要がある。
公的支援を受ける：児童手当と給付型奨学金
児童手当は中学校卒業までの子どもを対象とした支援制度で、毎月一定額が支給される。給付型奨学金は返済不要の支援制度で、家庭の経済状況などの条件を満たす必要がある。これらの公的支援を活用することで、教育資金の負担を軽減できる可能性がある。
ためる：普通預金と定期預金の活用
普通預金や定期預金は、安全性が高く、確実に資金を積み立てられる方法である。普通預金は自由に出し入れができる一方、定期預金は一定期間預け入れることで、普通預金よりも高い金利が得られる。ただし、現在の低金利環境では大きな運用益は期待できないため、長期的な視点での活用が求められる。
親族からもらう：教育資金の一括贈与制度
祖父母など家族・親族からの援助を受ける方法がある。教育資金の一括贈与制度を利用すれば、一定の要件を満たすことで、最大1,500万円まで非課税で受け取られる。ただし、贈与者の年齢や受贈者の条件など、制度の要件を確認する必要がある。
保険を活用する：学資保険
学資保険は、子どもの教育資金を計画的に準備できる保険商品である。契約者が保険料を払い込み、子どもが大学などに進学する際に、満期保険金や学資祝金を受け取ることができる。長期の積立で計画的に資金を準備できるメリットがある一方、途中解約した場合のデメリットもあるため、十分な検討が必要である。
運用する：NISA（少額投資非課税制度）の活用
NISAは、一定の投資額まで非課税で運用できる制度である。NISAを利用すれば、長期・分散投資を行いやすく、教育資金の準備に活用できる。ただし、投資には元本割れのリスクがあるため、自身のリスク許容度を考慮し、慎重に検討する必要がある。
家庭に合った準備方法の選び方
教育資金の準備方法は、家庭の状況によって最適な選択が異なる。ここでは、準備方法を選ぶ際のポイントや、長期的な視点を持つことの重要性について説明する。
３つの観点から考える
教育資金の準備方法を選ぶ際は、目標額、準備期間、リスク許容度の3つの観点から考えることが大切である。準備期間が短い場合は安全性の高い方法を選び、期間に余裕がある場合は運用による資産増加も視野に入れるなど、家庭の状況に応じて適切な方法を選択する。また、複数の方法を組み合わせることで、リスクを分散しつつ効果的な準備ができる可能性もある。
長期的な視点で考える
教育資金の準備は、長期的な視点を持つことが重要である。早めに準備を始めることで、時間の経過とともに複利効果を活かした資産形成ができる可能性が高まる。また、長期的な視点を持つことで、子どもの成長に合わせて柔軟に計画を見直し、調整することができる。さらに、教育資金の準備は家計全体のライフプランにも大きく関わるため、長期的な視点で家計の収支バランスを考慮しながら準備を進めることが大切である。
まとめ：効果的な教育資金準備のために
教育資金の準備は、子どもの将来に大きく影響する重要な課題である。借りる、公的支援を受ける、ためる、家族・親族からもらう、保険を活用する、運用するの6つの方法から、自分の家庭に合った方法を選ぶことが大切だ。
選び方の基準として、目標額、準備期間、リスク許容度の3つの観点から考えることが重要である。また、長期的な視点を持つことで、より効果的な準備が可能になる。
教育資金の準備は早めに始めることが望ましいが、どの段階から始めても工夫次第で対応できる。家庭の状況に合わせて最適な方法を選び、必要に応じて専門家のアドバイスを受けながら、計画的に準備を進めていくことが大切である。子どもの未来のために、今日から教育資金の準備を始めてみてはいかがだろうか。
- Q学資保険よりも資産運用による準備を勧められましたが、いかがでしょうか。
- A
資産運用の経験があり、少しずつ利益を積み上げてきた人にとっては学資保険よりもNISAを活用した資産運用のほうが魅力的だと考えるかもしれません。しかし、投資未経験者や初心者にとってはリスクが高いと思われますので、ほかの方法を選択するか、資産運用による準備額を最小限にとどめておくといいでしょう。
コメント