【フコクの学資保険】FPが解説!ランキングだけではわからない「みらいのつばさ」の魅力・活用方法と注意点

フコク生命の学資保険に関する情報を示すイラスト。親子のイラストと「保険を知る 学資保険 フコク生命」というテキストが描かれている。 教育費
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子育て世代の多くが教育費の準備に頭を悩ませている。学資保険はその解決策の一つだが、選択肢が多く迷ってしまうことも多い。

この記事では、元保険募集人のFPがフコク生命の学資保険「みらいのつばさ」について、その特徴や活用方法、注意点を詳しく解説する。ランキングだけではわからない魅力を知り、自分の家計にあった学資保険選びの参考にしてほしい。

「みらいのつばさ」の特徴

フコク生命の学資保険「みらいのつばさ」は、子どもの成長に合わせて柔軟に設計できる商品である。受取方法や払込期間、保険金額などの基本情報を押さえたうえで、ほかの特徴も確認していこう。

CFP歴10年超
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専門家のワンポイントアドバイス
学資保険を選ぶ際は、子どもの年齢や将来の教育プランを考慮して、受取方法や払込期間を慎重に検討しましょう。

基本的な特徴

「みらいのつばさ」の契約可能年齢は、子どもが出生予定日の140日前から7歳までとなっている。これにより、出産前から小学校入学後まで幅広い時期に契約が可能だ。7歳でも加入できる点は特徴的である。

また、祝金の支払日は毎年11月1日である。少し早めに受け取れるようになっており、教育費用の支払い時期との調整を検討するとよいだろう。なお、大学入学前については、近年、AO推薦による入学者が増えており、高校3年の夏ごろに入学金・初年度納入金を納付する。これは短大や専門学校も同様である。学資保険に加入する際には、受取時期を必ず確認しておこう。

なお、契約者の年齢条件は、契約者の性別、被保険者(子ども)の契約年齢、保険料払込期間によって異なる。また、祖父母も契約者になれる。ただし、子どもと同居し扶養していることの証明書類の提出と、父母の同意が必要となる。詳細はフコク生命に確認する必要がある。

受取方法・払込期間・保険金額

「みらいのつばさ」の受取方法は、S(ステップ)型とJ(ジャンプ)型の2種類から選択できる。S型は7回に分けて受け取るのに対し、J型は2回で受け取る方式となっている。

受取方法受取時期と満期保険金額に対する割合
S型(ステップ型)3歳(5%)、6歳(5%)、12歳(10%)、
15歳(10%)、18歳(70%)、
20歳(10%)、22歳(100%)
J型(ジャンプ型)18歳(100%)、22歳(100%)
項目内容
保険料払込満了年齢11歳、14歳、17歳から選択可能
満期保険金額80万円から10万円単位で設定可能

保険料払込満了年齢は11歳、14歳、17歳から選択可能で、満期保険金額は80万円から10万円単位で設定できる。たとえば、満期保険金額100万円のS型の場合、3歳で5万円、18歳で70万円を受け取ることができる。

その他の特徴

「みらいのつばさ」には、兄弟割引や祝金のすえ置制度があり、医療保険を付帯することもできる。

兄弟割引は2人目の子以降に適用され、家計の負担を軽減できる。祝金のすえ置き制度では、祝金を受け取らず、必要なときに引き出すこともできる。その期間は利息がつく。

また、保険期間の満了日を繰り上げて、22歳よりも前に受け取ることもできる。ただし、契約内容によっては保険料総額を下回る可能性もあるため、注意が必要だ。

「みらいのつばさ」の魅力とメリット

フコク生命の「みらいのつばさ」は、子どもの成長に合わせて柔軟に設計できる学資保険である。その魅力は、単に教育資金を準備するだけでなく、家庭の状況に応じて活用できる点にある。ここでは、「みらいのつばさ」のおもな魅力とメリットについて詳しくみていこう。

柔軟な設計と活用方法

「みらいのつばさ」の大きな魅力は、受取方法や払込期間、保険金額を自由に組み合わせられる点にある。S型とJ型の2つの受取方法を選択できるため、家庭の教育プランに合わせた資金計画が立てやすい。

たとえば、S型を選択すれば、子どもの成長段階に合わせて細かく資金を受け取れる。3歳や6歳での受取りは、幼稚園や小学校の入学準備金として活用できる。一方、J型を選べば、大学入学時と卒業時に大きな金額を受け取れるため、高額な教育費用に対応しやすい。

また、保険料払込満了年齢も11歳、14歳、17歳から選べるため、家計の状況に合わせて負担を調整できる。保険料払込満了年齢を11歳とすれば、返戻率は高くなり、より多くの保険金を受け取れる。早期に払い終わらせることで、将来の教育費用に備えつつ、家計の柔軟性を保つこともできる。

「みらいのつばさ」の具体的な活用方法

フコク生命の「みらいのつばさ」は、その柔軟性からさまざまな活用方法が考えられる。ここでは、S型とJ型の使い分け方や、祝金の具体的な活用例を紹介する。これらの情報を参考に、自身の家庭状況に合わせた最適な活用法を見つけてほしい。

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祝金のすえ置き制度を上手に活用することで、子どもの成長に合わせた柔軟な資金計画が可能になります。ただし、後述する注意点とあわせて検討しましょう。

S型とJ型の使い分け

「みらいのつばさ」のS型とJ型は、それぞれ特徴的な受取方法を持つ。

S型は子どもの成長に合わせて細かく受け取れるため、教育にかかる費用を段階的に準備したい家庭に適している。たとえば、3歳と6歳の受取りを幼稚園や小学校の入学準備金として、12歳と15歳の受取りを中学・高校の入学費用として活用できる。

一方、J型は18歳と22歳の2回で大きな金額を受け取る。この方式は、大学進学時の一時金や、大学卒業後の新生活資金として活用したい家庭に向いている。特に、私立大学や就職後のひとり暮らしを考えている場合、まとまった資金が必要となるため、J型が有効だ。

家庭の教育プランや子どもの将来の夢に合わせて、S型とJ型を選択することが重要である。また、兄弟がいる場合は、上の子と下の子で異なる型を選ぶことで、よりきめ細かい資金計画が可能になる。

祝金の活用例

「みらいのつばさ」の祝金は、そのすえ置き制度を利用することで柔軟な活用が可能となる。祝金を受け取らず、必要なときまで保険会社に預けておくことで、急な出費や予定外の教育費用に対応できる。

具体的な活用例としては、以下のようなものが考えられる。

S型を選択し、3歳と6歳の祝金をすえ置いておき、小学校高学年で始める習い事の費用に充てる。12歳の祝金は中学校の制服や学用品の購入に使い、15歳の祝金は高校の入学金に充てる。18歳の大きな祝金は大学の入学金と初年度の授業料に使用し、20歳と22歳の祝金は就職活動や海外留学の費用として活用する。

J型の場合、18歳の祝金を大学入学時の一時金として使い、22歳の祝金を就職準備金や大学院進学資金として活用する方法がある。あるいは、18歳の祝金をすえ置いておき、22歳の祝金と合わせて海外留学の資金とする使い方も考えられる。

これらの活用例はあくまで一例であるが、加入時から22歳までは長期にわたるので、実際の使い方は家庭の状況や子どもの成長に合わせて柔軟に検討すべきである。重要なのは、「みらいのつばさ」の特徴を理解し、自分の家庭に最適な方法で活用することだ。

「みらいのつばさ」の注意点

フコク生命の「みらいのつばさ」は柔軟性の高い学資保険だが、契約時や運用時には注意すべき点もある。ここでは、契約時の確認事項や、解約・早期受取時のデメリットについて解説する。これらの注意点を理解することで、より賢明な判断ができるだろう。

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学資保険は長期の契約になるため、家庭の状況変化も考慮に入れて、無理のない範囲で検討することが大切です。

商品特性に関する注意点

「みらいのつばさ」には、他の学資保険と比較して注意すべき特徴がある。

「みらいのつばさ」は、大学入学時にまとめて受け取れるタイプがない点に注意が必要だ。大学入学前に200万円を学資保険で準備したい場合、J型でも22歳受け取りがあるため、総額400万円の契約となる。17歳や18歳にまとまった資金を受け取りたい場合は、ほかの学資保険を検討する方が良いかもしれない。

S型に加入し、資金が十分であれば、祝金をすえおく柔軟性の高さは魅力である。しかし、最初から18歳で受け取る学資保険に加入した方が、一般的に受取額は多くなる。据え置き制度では、いつでも引き出せるため、保険会社もすぐに現金化できる商品で運用しなければならない。その分、運用利率は悪くなる。

この点についても、実際に保険料の試算をしてもらい、確認してみるといいだろう。

解約や早期受取時のデメリット

「みらいのつばさ」は長期契約を前提とした商品であるため、解約や早期受取りにはデメリットが伴う可能性がある。

特に、契約後間もない時期の解約や、保険期間満了日の繰り上げは、受取金額が払い込んだ保険料総額を下回るリスクがある。

また、以下の点にも注意が必要である。

  1. インフレリスク:長期間の契約中にインフレが進行すると、受取保険金の実質価値が目減りする可能性がある。
  2. 資金不足のリスク:特にS型の場合、大学進学時など大きな支出が必要な時期に受取額が不足する可能性がある。

これらの注意点を踏まえ、自身の家庭状況や将来の見通しを十分に検討した上で、契約を決定することが大切だ。不明な点がある場合は、必ずフコク生命に直接問い合わせ、詳細な説明を受けてから加入するようにしよう。

フコク生命の苦情件数とおもな内容

保険商品を選ぶ際は、その会社の顧客対応や苦情処理の状況も重要な判断材料となる。ここでは、フコク生命の苦情件数とおもな内容について解説する。これらの情報を踏まえることで、より慎重な判断ができるだろう。

苦情の傾向と対応

フコク生命に寄せられた苦情について、2023年度のおもな項目と件数を見てみよう。ここでは、特に保険選びに検討すべき項目を厳選してまとめている。保険会社に直接寄せられた苦情で、総苦情件数は13,567件(2023年度)である。

項目件数総苦情件数に占める割合
不適切な募集行為84件0.62%
説明不十分238件1.75%
解約手続1,423件10.49%
アフターサービス関係1,998件14.73%
満期保険金・年金等1,300件9.58%
項目件数金額
支払い漏れ204件2,400万円

ちなみに、このデータには、具体的な内容は記載されていない。そのため、このデータだけで是非の判断はしにくいが、ほかの保険会社と比較すると参考になるかもしれない。なお、フコク生命では、未払いが発生しないように、複数の工程を経て、保険金の支払いを判定するなどの体制を整えている。

まとめ

フコク生命の学資保険「みらいのつばさ」は、子どもの成長に合わせて柔軟に設計できる商品である。S型とJ型の2つの受取方法や、保険料払込満了年齢の選択肢など、家庭の状況に応じた活用ができる点が大きな魅力となっている。特に、祝金のすえ置き制度を利用することで、急な出費や予定外の教育費用に柔軟に対応できる点は注目に値する。

一方で、大学入学時にまとめて受け取れるタイプがないことや、解約や早期受け取り時のデメリットなど、注意すべき点もある。また、インフレリスクや資金不足のリスクにも留意が必要である。

契約を検討する際は、自身の家庭状況や将来の見通しを十分に検討し、不明な点がある場合は必ずフコク生命に直接問い合わせ、詳細な説明を受けてから加入することが大切である。さらに、フコク生命の苦情件数や内容を参考にすることで、より慎重な判断ができるだろう。

「みらいのつばさ」は、柔軟性の高さが特徴的な学資保険であるが、それゆえに活用方法や注意点を十分に理解することが重要である。家庭の教育プランや子どもの将来の夢に合わせて、最適な設計を行うことで、子育て世代の教育費準備の悩みを解決する一助となるだろう。

Q
「みらいのつばさ」のS型とJ型の違いは何ですか?
A

S型は7回に分けて受け取る方式で、J型は18歳と22歳の2回で受け取る方式です。家庭の教育プランに合わせて選択できます。

Q
祝金のすえ置き制度とは何ですか?
A

祝金を受け取らずに保険会社に預けておき、必要なときに引き出せる制度です。この期間は利息がつきます。

Q
「みらいのつばさ」を解約する際の注意点はありますか?
A

特に契約後間もない時期の解約は、受取金額が払い込んだ保険料総額を下回るリスクがあります。慎重に検討しましょう。

執筆者・監修者
十河 賢

◇経歴10年以上のウェブライター&ファイナンシャルプランナー
・CFP保有者・SEO検定1級・宅建士・住宅ローンアドバイザー
◇ウェブライティング講座を開講中

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