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多くの人が家計の見直しを検討しているものの、具体的な改善方法がわからないという悩みを抱えている。福岡県の勤労世帯の家計データを消費支出別に分析することで、自身の家計の立ち位置がわかり、具体的な改善のヒントを得ることができる。
この記事では、消費支出別の特徴と改善ポイントについて、実践的なアドバイスとともに解説していく。
消費支出が25万円未満の世帯の特徴と改善ポイント
消費支出が25万円未満の世帯について、世帯構成や収支バランスの特徴から、効率的な家計管理のポイントを見ていく。
専門家のワンポイントアドバイス:
食費の支出が高い世帯は、まとめ買いや地元の市場の活用で、食費の削減が可能です。
世帯構成と収支の特徴
項目 | 10万円 未満 | 10~15 万円 | 15~20 万円 | 20~25 万円 |
---|---|---|---|---|
実収入(円) | 187,709 | 275,674 | 318,605 | 347,188 |
消費支出(円) | 69,997 | 121,264 | 173,897 | 222,381 |
可処分所得(円) | 188,316 | 249,974 | 305,120 | 334,909 |
収入は徐々に増加する傾向にある一方で、消費支出の増加率はより大きく、25万円未満の世帯における収支バランスの特徴が表れている。実収入に対する消費支出の割合は、10万円未満の世帯で37.3%だが、20~25万円の世帯では64.1%まで上昇する。
支出内訳と改善のポイント
支出項目 | 10万円 未満 | 10~15 万円 | 15~20 万円 | 20~25 万円 |
---|---|---|---|---|
食料(円) | 26,117 (37.3%) | 35,976 (29.7%) | 48,830 (28.1%) | 59,624 (26.8%) |
住居(円) | 5,580 (8.0%) | 20,084 (16.6%) | 25,957 (14.9%) | 19,073 (8.6%) |
光熱・水道(円) | 4,588 (6.6%) | 11,267 (9.3%) | 13,254 (7.6%) | 15,644 (7.0%) |
家具・家事用品(円) | 3,456 (4.9%) | 2,880 (2.4%) | 6,348 (3.7%) | 7,279 (3.3%) |
被服及び履物(円) | 11,472 (16.4%) | 6,140 (5.1%) | 5,565 (3.2%) | 10,361 (4.7%) |
交通・通信(円) | 11,451 (16.4%) | 16,253 (13.4%) | 24,850 (14.3%) | 33,851 (15.2%) |
教育(円) | 62 (0.1%) | 632 (0.5%) | 1,735 (1.0%) | 6,725 (3.0%) |
教養娯楽(円) | 2,761 (3.9%) | 9,404 (7.8%) | 14,706 (8.5%) | 22,392 (10.1%) |
その他の消費支出(円) | 3,643 (5.2%) | 15,630 (12.9%) | 27,000 (15.5%) | 36,191 (16.3%) |
消費支出が25万円未満の世帯において特筆すべき点は、食費と交通・通信費の支出割合の高さである。食費については10万円未満の世帯で37.3%と高い割合を示すが、消費支出が増えるにつれて26.8%まで低下する。一方、交通・通信費は13~16%台で推移している。
住居費の支出割合は変動が大きく、10万円未満の世帯では8.0%だが、10~15万円の世帯で16.6%まで上昇し、その後は低下傾向を示す。これは、住居形態の選択に柔軟性があることを示唆している。
教養娯楽費は消費支出の増加に伴い、3.9%から10.1%まで上昇する傾向にある。これは、基礎的支出を確保した後の余裕資金が、生活の質の向上に向けられていることを示している。
消費支出が25万円以上40万円未満の世帯の特徴と改善ポイント
消費支出が25万円以上40万円未満の世帯について、世帯構成や収支バランスの特徴から、効率的な家計管理のポイントを見ていく。
専門家のワンポイントアドバイス:
増加傾向にある保健医療費は、健康保険の見直しや予防医療の活用で抑制できます。
世帯構成と収支の特徴
項目 | 25~30 万円 | 30~35 万円 | 35~40 万円 |
---|---|---|---|
実収入(円) | 426,174 | 394,435 | 513,988 |
消費支出(円) | 273,048 | 321,159 | 374,386 |
可処分所得(円) | 400,016 | 413,166 | 468,010 |
この支出区分における収入と支出のバランスには大きな変動がみられる。実収入に対する消費支出の割合は、25~30万円の世帯で64.1%、30~35万円の世帯で81.4%、35~40万円の世帯では72.8%と推移している。
支出内訳と改善のポイント
支出項目 | 25~30 万円 | 30~35 万円 | 35~40 万円 |
---|---|---|---|
食料(円) | 68,810 (25.2%) | 81,480 (25.4%) | 91,730 (24.5%) |
住居(円) | 27,726 (10.2%) | 24,176 (7.5%) | 30,048 (8.0%) |
光熱・水道(円) | 15,958 (5.8%) | 19,207 (6.0%) | 21,825 (5.8%) |
家具・家事用品(円) | 7,415 (2.7%) | 12,512 (3.9%) | 15,319 (4.1%) |
被服及び履物(円) | 10,676 (3.9%) | 14,600 (4.5%) | 17,341 (4.6%) |
保健医療(円) | 12,264 (4.5%) | 19,777 (6.2%) | 14,469 (3.9%) |
交通・通信(円) | 41,669 (15.3%) | 42,422 (13.2%) | 54,425 (14.5%) |
教育(円) | 9,231 (3.4%) | 11,655 (3.6%) | 19,896 (5.3%) |
教養娯楽(円) | 22,384 (8.2%) | 32,102 (10.0%) | 39,069 (10.4%) |
その他の消費支出(円) | 56,915 (20.8%) | 63,226 (19.7%) | 70,265 (18.8%) |
この支出区分における特徴的な点は、食費と交通・通信費の構成比率である。食費は24~25%台で安定的に推移する一方、交通・通信費は13~15%台を維持しており、生活インフラとしての重要性が表れている。
教育費は3.4%から5.3%へと上昇傾向にある。これは子育て世帯の増加や、教育投資の拡大を示している。
教養娯楽費は8.2%から10.4%まで増加しており、収入の増加に伴い、余暇活動への支出が拡大している様子がうかがえる。
消費支出が40万円以上の世帯の特徴と改善ポイント
消費支出が40万円以上の世帯について、世帯構成や収支バランスの特徴から、効率的な家計管理のポイントを見ていく。
専門家のワンポイントアドバイス:
増加傾向にある教育費は、奨学金制度や教育ローンの検討で計画的な準備が可能です。
世帯構成と収支の特徴
項目 | 40~45 万円 | 45~50 万円 | 50~55 万円 | 55~60 万円 | 60万円 以上 |
---|---|---|---|---|---|
実収入(円) | 687,152 | 528,007 | 524,899 | 608,072 | 545,949 |
消費支出(円) | 423,761 | 475,728 | 527,234 | 570,046 | 845,190 |
可処分所得(円) | 560,751 | 488,105 | 492,970 | 542,356 | 495,848 |
この支出区分では、消費支出と実収入の関係に大きな特徴がみられる。消費支出は40~45万円の世帯で実収入の61.7%だが、60万円以上の世帯では154.8%と大幅に上昇しており、貯蓄の取り崩しや借入などで支出を賄っている可能性がある。
支出内訳と改善のポイント
支出項目 | 40~45 万円 | 45~50 万円 | 50~55 万円 | 55~60 万円 | 60万円 以上 |
---|---|---|---|---|---|
食料(円) | 104,475 (24.7%) | 110,113 (23.1%) | 107,223 (20.3%) | 114,801 (20.1%) | 85,342 (10.1%) |
住居(円) | 18,084 (4.3%) | 53,528 (11.3%) | 15,914 (3.0%) | 9,923 (1.7%) | 58,450 (6.9%) |
交通・通信(円) | 59,930 (14.1%) | 59,868 (12.6%) | 53,102 (10.1%) | 107,317 (18.8%) | 234,849 (27.8%) |
教育(円) | 12,748 (3.0%) | 40,027 (8.4%) | 42,615 (8.1%) | 48,665 (8.5%) | 37,234 (4.4%) |
教養娯楽(円) | 44,125 (10.4%) | 49,063 (10.3%) | 47,964 (9.1%) | 36,383 (6.4%) | 144,058 (17.0%) |
その他の消費支出(円) | 92,777 (21.9%) | 82,287 (17.3%) | 97,751 (18.5%) | 160,706 (28.2%) | 197,772 (23.4%) |
この支出区分では、各支出項目の割合に大きな変動がみられる。特に交通・通信費は支出が増えるにつれて10.1%から27.8%まで上昇し、60万円以上の世帯では最大の支出項目となっている。
教育費は40~45万円の世帯で3.0%だが、45~50万円以上の世帯では8%台まで上昇している。これは子どもの教育関連支出の増加を反映している。
食費の支出割合は消費支出の増加とともに低下し、60万円以上の世帯では10.1%まで減少する。一方、教養娯楽費は60万円以上の世帯で17.0%と高い割合を示しており、生活の質向上への投資が進んでいる。
まとめ:自身の消費支出に合わせた家計の見直しポイント
消費支出の金額によって、福岡県の勤労世帯の家計には特徴的な傾向がみられる。
消費支出25万円未満の世帯では、食費が支出全体の26~37%を占め、収入が少ないほど食費の割合が高くなる傾向がある。この層では、食費の見直しと交通・通信費の効率化がポイントとなる。
消費支出25万円以上40万円未満の世帯では、食費は24~25%台で安定する一方、教育費や教養娯楽費の割合が上昇している。この層では、増加傾向にある選択的支出の管理が重要である。
消費支出40万円以上の世帯では、交通・通信費が大きく上昇し、60万円以上の世帯では27.8%を占める。また、教育費は8%台まで増加する一方、食費の割合は低下する傾向にある。この層では、高額化する交通・通信費の見直しと教育費の計画的な管理が重要となる。
- Q福岡県の60万円以上の世帯で交通・通信費が高額になる理由は?
- A
交通・通信費は月額23万円を超え、支出の27.8%を占めています。車の保有台数増加や通信機器の多様化が要因と考えられます。
- Q福岡県の25万円未満世帯の食費の割合が高い理由は?
- A
10万円未満の世帯では食費が37.3%を占めます。これは食費が生活必需品であり、一定額以下に抑えることが難しいためです。
- Q福岡県の40万円以上世帯の教育費はどのような特徴がありますか?
- A
45~60万円の世帯では教育費が8%台で推移しており、月額4~5万円程度を教育に投資しています。
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