【北海道】世帯人数別：家計収支の特徴と管理術

毎月の家計管理に不安を感じている方は多いものである。とくに、自身の世帯における収支が適切なのか、判断に迷うことがある。北海道に住む人たちの家計収支の実態を知ることで、より適切な家計管理が可能になる。

この記事では、北海道の世帯人数ごとの収支状況を詳しく解説し、具体的な家計管理のヒントを提供する。

家計収支の基本データを理解する

世帯人数によって収支状況は大きく異なるため、まずは基本的なデータを確認することから始める。

おもな支出項目の特徴

北海道の世帯別収支データを見ると、世帯人数によって支出の特徴が異なることがわかる。

項目	1人	2人	3人	4人	5人以上
世帯基本情報
平均年齢（歳）	42.8	52.5	48.7	47.0	46.2
有業人員（人）	1.00	1.53	1.85	2.05	1.94
収入（円）
勤め先収入	245,433	338,472	442,580	459,648	454,334
支出（円）
消費支出計	159,092	269,326	293,579	274,318	271,470
– 食料	37,524	62,487	70,691	73,751	82,188
– 住居	25,836	25,110	17,768	13,295	11,709
– 光熱・水道	10,624	19,656	23,851	23,841	31,554
– 家具・家事用品	3,980	8,470	10,350	9,461	8,693
– 被服・履物	5,366	11,574	12,196	13,634	14,929
– 保健医療	5,007	12,567	16,395	10,255	8,174
– 交通・通信	25,305	60,406	43,878	45,583	41,590
– 教育	68	380	12,505	11,330	14,877
– 教養娯楽	19,419	23,051	23,525	31,948	21,320
– その他	25,963	45,626	62,421	41,222	36,437

上記の表は、世帯人数別（勤労者世帯）の1ヶ月の収支を示している。「１人」はひとり暮らし、「２人」は夫婦のみ世帯を示している。平均年齢が52.5歳ということから、子どもは独立している家庭も含まれていると考えられる。

「３人」以上は、子育て世帯である。基本的に世帯人数が増えるほど支出も増加する。ご自身の家計状況を照らし合わせてみよう。

実際に使える収入（可処分所得）の把握

家計を管理するうえで重要なのは、税金や社会保険料を差し引いたあとの、実際に使える金額（可処分所得）である。

項目	1人	2人	3人	4人	5人以上
勤め先収入	245,433	338,472	442,580	459,648	454,334
税 社会保険料	47,593	68,087	87,573	79,946	84,113
可処分所得	215,276	339,481	413,454	432,130	432,297

生活するうえで注目すべきは、可処分所得である。ご自身の可処分所得と比べてみよう。次章から世帯人数別に解説する。該当する箇所を参考にしてほしい。

なお、この記事では実収入を紹介していない。可処分所得は、実収入から非消費支出を差し引いて求めるため、勤め先収入から税・社会保険料を差し引いても可処分所得の額と一致しない。

1人世帯の家計収支

北海道の1人世帯の収支状況を詳しく見ていくことで、適切な家計管理のポイントを理解することができる。

1人世帯の基本的な特徴

北海道の1人世帯の実態を見ていく。平均年齢は42.8歳で、働き盛りの世代が中心となっている。有業人員は1.00人であることから、ほとんどが単身で働いていることがわかる。

勤め先収入は月額24.5万円である。収入から税金や社会保険料として4.8万円が引かれ、実際に使える可処分所得は21.5万円となっている。この可処分所得から、生活費や将来への備えなど、さまざまな支出をまかなっていく必要がある。

収入の約2割が税金や社会保険料として差し引かれており、手取り額を意識した家計管理が重要である。

1人世帯の支出内訳

1人世帯の消費支出は月額約15.9万円である。これを項目別に見ると、次のような内訳になっている。

支出項目	金額(円)	消費支出に占める割合(%)
食料	37,524	23.6
住居	25,836	16.2
光熱・水道	10,624	6.7
家具・家事用品	3,980	2.5
被服・履物	5,366	3.4
保健医療	5,007	3.1
交通・通信	25,305	15.9
教育	68	0.0
教養娯楽	19,419	12.2
その他	25,963	16.3

1人世帯では食費が23.6%と最も高い割合を占めており、次いで住居費と交通・通信費の支出が大きくなっている。

1人世帯の家計改善のポイント

1人世帯の支出を見ると、固定費の負担が大きいことがわかる。なかでも住居費と光熱・水道費は世帯人数が増えても大きく変わらない費用であり、1人で負担する割合が高くなっている。とくに北海道の冬季は暖房費がかさむため、光熱費は年間平均の1.06万円よりも大幅に増加することがある。

食費については、消費支出の23.6%を占めている。1人分の食材購入は量が少なく割高になりがちで、また調理する時間や手間を考えて外食や中食を選ぶことも多い。このため、食費の効率的な使い方を工夫する余地がある。

まとめ買いや作り置きなど、効率的な家事の工夫により、固定費と食費の負担を軽減できる可能性がある。

2人世帯の家計収支

北海道の2人世帯の収支状況を詳しく見ていくことで、夫婦や親子での家計管理のポイントを理解することができる。

2人世帯の基本的な特徴

北海道の2人世帯の実態を見ていく。平均年齢は52.5歳と比較的高く、子どもが独立した夫婦世帯なども含まれている。有業人員は1.53人であることから、共働き世帯も多いことがわかる。

勤め先収入は月額33.8万円である。ここから税金や社会保険料として6.8万円が引かれ、実際に使える可処分所得は33.9万円となっている。この可処分所得から、生活費や将来への備えなど、さまざまな支出をまかなっていく必要がある。

有業人員が1.53人ということは、パートタイム収入なども含まれており、家計の収入源が複数あることがわかる。

2人世帯の支出内訳

2人世帯の消費支出は月額約26.9万円である。これを項目別に見ると、次のような内訳になっている。

支出項目	金額(円)	消費支出に占める割合(%)
食料	62,487	23.2
住居	25,110	9.3
光熱・水道	19,656	7.3
家具・家事用品	8,470	3.1
被服・履物	11,574	4.3
保健医療	12,567	4.7
交通・通信	60,406	22.4
教育	380	0.1
教養娯楽	23,051	8.6
その他	45,626	16.9

2人世帯では交通・通信費が22.4%と高い割合を占めており、食費と合わせると支出の約半分を占めている。

2人世帯の家計改善のポイント

2人世帯の支出を見ると、交通・通信費の負担が特に大きいことがわかる。月額6万円を超える金額は、自動車を2台保有している可能性や、携帯電話やインターネットなどの通信費が2人分含まれていることが考えられる。自動車の維持費や通信プランの見直しにより、支出を抑える余地がある。

保健医療費は月額1.2万円で消費支出の4.7%を占めている。50代以上の夫婦世帯が多いことから、定期的な通院や医薬品の購入などが影響していると考えられる。医療費控除の活用や、ジェネリック医薬品の利用などを検討することができる。

また光熱・水道費は月額2万円程度だが、北海道の冬季は暖房費がかさむため、年間平均よりも大幅に増加する。2人世帯であっても、室温管理や節水など、光熱費の抑制を意識した生活が求められる。

交通・通信費は固定費として大きな割合を占めているため、プランの見直しなどで支出を最適化することが家計改善の重要なポイントとなる。

3人世帯の家計収支

北海道の3人世帯の収支状況を詳しく見ていくことで、子育て世帯における家計管理のポイントを理解することができる。

3人世帯の基本的な特徴

北海道の3人世帯の実態を見ていく。平均年齢は48.7歳で、子育て世代が中心となっている。有業人員は1.85人であることから、共働きの世帯が多いことがわかる。

勤め先収入は月額44.3万円である。ここから税金や社会保険料として8.8万円が引かれ、実際に使える可処分所得は41.3万円となっている。この可処分所得から、生活費や教育費など、さまざまな支出をまかなっていく必要がある。

3人世帯では子育てに関わる支出が増えるため、収入も他の世帯より多くなっている。

3人世帯の支出内訳

3人世帯の消費支出は月額約29.4万円である。これを項目別に見ると、次のような内訳になっている。

支出項目	金額(円)	消費支出に占める割合(%)
食料	70,691	24.1
住居	17,768	6.1
光熱・水道	23,851	8.1
家具・家事用品	10,350	3.5
被服・履物	12,196	4.2
保健医療	16,395	5.6
交通・通信	43,878	14.9
教育	12,505	4.3
教養娯楽	23,525	8.0
その他	62,421	21.3

3人世帯では教育費が月額1.3万円となっており、子育て世帯ならではの支出項目が加わっている。

3人世帯の家計改善のポイント

3人世帯の支出を見ると、食費と「その他の消費支出」に特徴が表れている。食費は月額7.1万円と消費支出の24.1%を占めており、子どもの成長に伴って増加することが予想される。まとめ買いや食材の使い切りなど、効率的な食材の活用が求められる。

「その他の消費支出」は月額6.2万円となっている。これには理美容サービス、理美容用品、身の回り用品、たばこ、交際費（贈答品や冠婚葬祭費用など）、仕送り金などが含まれる。とくに子育て世帯では、学校行事に関連する交際費や子どもの理美容費なども必要となる。これらの支出は、時期による変動も大きいため、計画的な支出管理が求められる。

光熱・水道費は月額2.4万円だが、北海道の冬季は暖房費が大幅に増加する。3人世帯では在宅時間も長くなりがちなため、光熱費の変動を考慮した家計管理が必要である。

教育費は月額1.3万円となっているが、これは学校の授業料や教材費、学習塾や習い事などの費用が含まれている。子どもの年齢が上がるにつれて教育費は増加する傾向にあるため、教育費の長期的な計画を立てることが重要である。

教育費と交際費などの支出は今後増加することが予想されるため、長期的な視点での家計管理が重要となる。

4人世帯の家計収支

北海道の4人世帯の収支状況を詳しく見ていくことで、子育て世帯における家計管理のポイントを理解することができる。

4人世帯の基本的な特徴

北海道の4人世帯の実態を見ていく。平均年齢は47.0歳で、子育て世代が中心となっている。有業人員は2.05人であることから、共働きが一般的な世帯構成であることがわかる。

勤め先収入は月額46.0万円である。ここから税金や社会保険料として8.0万円が引かれ、実際に使える可処分所得は43.2万円となっている。この可処分所得から、生活費や教育費など、さまざまな支出をまかなっていく必要がある。

4人世帯では有業人員が2人を超えており、世帯の収入を支える働き手が増えている。

4人世帯の支出内訳

4人世帯の消費支出は月額約27.4万円である。これを項目別に見ると、次のような内訳になっている。

支出項目	金額(円)	消費支出に占める割合(%)
食料	73,751	26.9
住居	13,295	4.8
光熱・水道	23,841	8.7
家具・家事用品	9,461	3.5
被服・履物	13,634	5.0
保健医療	10,255	3.7
交通・通信	45,583	16.6
教育	11,330	4.1
教養娯楽	31,948	11.6
その他	41,222	15.0

4人世帯では食費が26.9%と最も高い割合を占めており、また教養娯楽費の支出も増加している。

4人世帯の家計改善のポイント

4人世帯の支出を見ると、食費が月額7.4万円と最も大きな支出となっている。食費は消費支出の26.9%を占めており、家族4人分の食材や調理の工夫が必要である。まとめ買いのほか、食材の保存方法や献立の工夫により、効率的な食費の使い方を考える必要がある。

交通・通信費は月額4.6万円で支出の16.6%を占めている。4人家族では、通勤、通学、習い事など、家族それぞれの移動手段が必要となる。また携帯電話やインターネットなどの通信費も家族分必要となるため、家族割引などのプランを活用することで支出を抑えることができる。

教養娯楽費は月額3.2万円と比較的高額である。これは家族での余暇活動や、子どもの趣味に関する支出が含まれている。家族で楽しめる活動を選ぶことで、より効率的な支出が可能となる。

また教育費は月額1.1万円となっているが、子どもの年齢によって支出額は大きく変動する。たとえば、受験や進学を控えている場合は、教育費の増加を見込んだ計画が必要である。教育費は子どもの将来に関わる重要な支出であり、長期的な視点での準備が求められる。

光熱・水道費は2.4万円だが、北海道の冬季は暖房費が大幅に増加する。4人世帯では使用量も多くなるため、節約の工夫と冬季の支出増加への備えが重要となる。

5人以上世帯の家計収支

北海道の5人以上世帯の収支状況を詳しく見ていくことで、大家族における家計管理のポイントを理解することができる。

5人以上世帯の基本的な特徴

北海道の5人以上世帯の実態を見ていく。平均年齢は46.2歳で、子育て世代が中心となっている。有業人員は1.94人であることから、共働きの世帯が多いことがわかる。

勤め先収入は月額45.4万円である。ここから税金や社会保険料として8.4万円が引かれ、実際に使える可処分所得は43.2万円となっている。この可処分所得から、多人数世帯ならではの生活費や教育費など、さまざまな支出をまかなっていく必要がある。

5人以上世帯では、世帯人数が多いにもかかわらず、可処分所得は4人世帯とほぼ同水準となっている。

5人以上世帯の支出内訳

5人以上世帯の消費支出は月額約27.1万円である。これを項目別に見ると、次のような内訳になっている。

支出項目	金額(円)	消費支出に占める割合(%)
食料	82,188	30.3
住居	11,709	4.3
光熱・水道	31,554	11.6
家具・家事用品	8,693	3.2
被服・履物	14,929	5.5
保健医療	8,174	3.0
交通・通信	41,590	15.3
教育	14,877	5.5
教養娯楽	21,320	7.9
その他	36,437	13.4

5人以上世帯では食費が30.3%と最も高い割合を占めており、また光熱・水道費の支出も大きく増加している。

５人以上世帯の家計改善のポイント

5人以上世帯の支出を見ると、食費が月額8.2万円と最も大きな支出となっている。食費は消費支出の30.3%を占めており、大人数分の食事をまかなう必要がある。食材の大量購入や調理の工夫、食品ロスを減らすことで、効率的な食費の使い方を考える必要がある。

光熱・水道費は月額3.2万円と高額になっている。5人以上の大家族では、洗濯や入浴、調理など、水道やガスの使用量が多くなる。とくに北海道の冬季は暖房費が大幅に増加するため、年間を通じた計画的な家計管理が重要である。

交通・通信費は月額4.2万円で支出の15.3%を占めている。家族の通勤、通学、習い事など、移動手段の確保が必要となる。また通信費も家族分必要となるため、家族割引などの活用で支出を抑える工夫が求められる。

教育費は月額1.5万円となっており、複数の子どもの教育にかかる費用が含まれている。子どもの年齢が異なる場合は、教育費の支出時期が重なることもある。教育費は子どもの将来に関わる重要な支出であり、長期的な資金計画が不可欠である。

多人数世帯ならではの課題として、可処分所得は4人世帯とほぼ同じでありながら、食費や光熱・水道費などの基本的な生活費の負担が大きくなっている。そのため、収入を増やす工夫と支出の見直しの両面から家計改善を考える必要がある。

世帯人数別の特徴的な支出傾向

家計の支出には、世帯人数によって特徴的な変化を示す項目がある。これらの傾向を理解することで、自身の世帯における支出の見直しのヒントを得ることができる。

世帯人数が増えると減少する支出

住居費は1人世帯の2.6万円から5人以上世帯の1.2万円まで減少している。これは世帯人数が増えるにつれて持ち家率が上がることが影響している。賃貸住宅の1人世帯や2人世帯では、将来的な住居費の削減を視野に入れた検討ができる。

世帯人数が増えても一定水準の支出

交通・通信費は4～6万円の範囲で推移している。2人世帯の6万円が最も高額だが、これは自動車2台分の維持費や、通信機器の複数契約などが考えられる。世帯人数が異なっても支出が近い項目については、ほかの世帯の工夫を参考にできる。

まとめ：世帯に合わせた家計管理のポイント

北海道の家計収支データから、世帯人数によってさまざまな特徴があることがわかる。とくに食費と光熱・水道費は世帯人数が増えるほど上昇する傾向にある。一方で、住居費は世帯人数が増えるほど減少している。

自身の世帯構成に近い収支データを参考にしながら、長期的な視点で家計管理を考えることが大切である。また、北海道特有の課題である冬季の光熱費増加については、世帯人数にかかわらず、計画的な家計管理が必要となる。

家計管理の基本は、収入から税金や社会保険料を差し引いた可処分所得を正しく把握し、支出の優先順位をつけることである。世帯構成に応じた適切な支出配分を考えることで、より安定した家計を実現することができる。