幼稚園の費用はいくら?公立・私立の年間平均と無償化制度

幼稚園にかかる費用について考える親子のイラスト 教育費
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子どもの幼稚園入園前、教育費の準備で悩む保護者は多い。公立と私立でどのくらい違いがあるのか、実際の費用とその家計インパクトをデータで明らかにする。

幼稚園の費用 まとめ
項目公立幼稚園私立幼稚園
学校教育費約6.1万円約13.5万円
学校給食費約1.3万円約3.0万円
学校外活動費約9.1万円約14.4万円
年間費用約16.5万円約30.9万円
3年間総額約47.3万円約92.4万円
  • 私立は公立の約1.9倍、3年間で約45万円差
  • 公立・私立とも学校外活動費が高い割合を占める
  • 年齢が上がるほど費用増、特に年長で大きく増加

「年収別」「人口規模別」の違い、学校教育費や課外活動費の内訳も具体的に解説し、幼稚園選び・家計設計に役立つポイントを詳しく紹介していく。

幼稚園の年間費用はいくら?公立と私立の比較

幼稚園の費用を、公立と私立の違い、年収による違い、人口規模による違いで紹介する。1年間でいくらかかるか、3年間の総額はいくらか確認しておこう。

公立・私立幼稚園の費用

令和3年度の調査によると、幼稚園にかかる年間の学習費総額は、公立幼稚園が約16万5千円、私立幼稚園が約30万9千円となっている。私立幼稚園は公立の約1.9倍の費用がかかることがわかる。この差額は、家計に大きな影響を与える可能性がある。

1年間の幼稚園の費用

費用項目公立幼稚園私立幼稚園
学校教育費約6万1千円(37.0%)約13万5千円(43.6%)
学校給食費約1万3千円(8.1%)約3万円(9.7%)
学校外活動費約9万1千円(54.8%)約14万4千円(46.7%)
合計約16万5千円(100%)約30万9千円(100%)

公立、私立ともに学校外活動費の割合が高いことが特徴的だが、私立は公立に比べて学校教育費の割合が高くなっている。これらの費用の内訳をさらに詳しく見ていくことで、幼稚園にかかる費用の全体像がより明確になるだろう。

3年間の幼稚園の費用

3年間の総額は公立幼稚園が約47万3千円、私立幼稚園が約92万4千円となり、その差は約45万円になる。

年齢公立幼稚園私立幼稚園
3歳児約13万3千円約30万9千円
4歳児約14万1千円約27万6千円
5歳児約19万9千円約33万9千円
3年間の総額約47万3千円約92万4千円

月額に換算すると、公立幼稚園で約1万3千円、私立幼稚園で約2万6千円の支出が3年間続くことになる。

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専門家のワンポイントアドバイス
5歳児の費用増加に備え、4歳児のうちから少しずつ貯蓄を増やすことをおすすめします。

年収別の幼稚園の費用

世帯収入が増えるにつれて、幼稚園にかける費用も増加する傾向にある。特に年収1,000万円を超えると、費用が大きく跳ね上がる傾向がある。

世帯の年間収入と幼稚園にかかる費用の関係を表にまとめると、以下のようになる。

年間収入公立幼稚園私立幼稚園
400万円未満約14万7千円約23万5千円
400万円~599万円約13万9千円約25万2千円
600万円~799万円約15万9千円約28万7千円
800万円~999万円約20万5千円約35万1千円
1,000万円~1,199万円約23万5千円約42万2千円
1,200万円以上約44万5千円約55万5千円

公立幼稚園と私立幼稚園を比較すると、どの年収帯でも私立幼稚園の方が高額になっている。ただし、その差は年収が高くなるほど縮まる傾向にある。

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専門家のワンポイントアドバイス
教育費の負担が大きいと感じたら、自治体の教育支援制度を積極的に活用しましょう。

人口規模別の幼稚園の費用

公立・私立ともに、概して人口規模が大きくなるほど学習費総額が増加する傾向にある。特に、100万人以上の大都市圏では、他の地域と比べて費用が大きく上昇する。

以下の表は、人口規模別の幼稚園の年間学習費総額をまとめたものである。

人口規模公立幼稚園私立幼稚園
10万人未満約14万6千円約24万3千円
10万人以上30万人未満約16万4千円約28万5千円
30万人以上100万人未満約15万9千円約33万2千円
100万人以上・特別区約23万9千円約34万6千円
  1. 学校教育費: 公立・私立幼稚園ともに、人口規模が大きくなるほど学校教育費が多くなる傾向にある。これは、都市部ほど物価が高く、教材費や施設維持費などが高くなるためと考えられる。
  2. 学校給食費: 興味深いことに、中規模の人口規模(10万人以上30万人未満)において、学校給食費が比較的高くなっている。これは、地域ごとの給食提供方式や食材の調達方法の違いによるものかもしれない。
  3. 学校外活動費: こちらも人口規模が大きくなるほど費用が多くなる傾向にある。特に100万人以上の大都市圏では、公立幼稚園で約16万1千円、私立幼稚園で約16万4千円と、他の地域よりもかなり高額になっている。これは、都市部ほど習い事や課外活動の選択肢が豊富で、それらにかかる費用も高くなる傾向があるためと考えられる。

学校教育費の詳細

学校教育費は、幼稚園に直接支払う費用の中心となるものである。入学金、授業料、教材費など、さまざまな費用が含まれている。公立と私立で、その内訳にどのような違いがあるのか、詳しく見ていく。

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専門家のワンポイントアドバイス
入園前に幼稚園の説明会や見学会に参加し、実際にかかる費用を詳しく確認しましょう。

公立幼稚園の学校教育費内訳

公立幼稚園の学校教育費は、年間約6万1千円である。この内訳を見ると、最も大きな割合を占めているのが通学関係費で、約2万2千円(36.5%)となっている。公立幼稚園では、制服や通学用品にかかる費用が大きな比重を占めていることがわかる。

次に多いのが図書・学用品・実習材料費等で、約1万1千円(18.1%)である。授業料は約5,500円(9.0%)と比較的低額になっている。入学金等は約380円(0.6%)とわずかである。

これらの費用構成から、公立幼稚園では直接的な教育費用よりも、通学に関連する費用や教材費の負担が大きいことがうかがえる。

私立幼稚園の学校教育費内訳

私立幼稚園の学校教育費は、年間約13万5千円と、公立の2倍以上になっている。最も大きな割合を占めているのは通学関係費で、約3万9千円(29.0%)である。しかし、公立と比べてその割合は低くなっている。

私立幼稚園で特徴的なのは、授業料の高さである。約2万8千円(20.7%)と、公立の5倍以上になっている。また、入学金等も約1万6千円(11.7%)と、公立と比べて大きな金額になっている。

図書・学用品・実習材料費等は約1万6千円(11.9%)で、金額としては公立よりも高いが、全体に占める割合は低くなっている。

私立幼稚園の場合、授業料や入学金といった直接的な教育費用の負担が大きいことが特徴である。これは、より充実した教育プログラムや施設設備の維持費用などが反映されているためと考えられる。

公立と私立の学校教育費の違いを理解することで、各家庭の状況に応じた幼稚園選びの参考になるだろう。また、これらの費用を事前に把握しておくことで、入園前から計画的な準備を進めることができる。

学校給食費と学校外活動費

幼稚園生活では、給食やさまざまな課外活動も重要な要素である。これらにかかる費用も、家計に大きな影響を与える可能性がある。ここでは、学校給食費と学校外活動費について詳しく見ていく。

学校給食費の比較

学校給食費は、幼稚園での食事にかかる費用である。公立幼稚園の給食費は年間約1万3千円(総額の8.1%)であるのに対し、私立幼稚園では約3万円(総額の9.7%)となっている。私立幼稚園の給食費が公立の約2.3倍になっているのは、提供される食事の内容や回数の違いによるものと考えられる。

給食費の金額は、一見すると大きな負担には見えないかもしれない。しかし、毎月の支出として考えたとき、家計への影響は無視できない。また、兄弟姉妹が同時に幼稚園に通う場合は、この金額が倍になることも考慮に入れる必要がある。

学校外活動費の内訳と特徴

学校外活動費は、幼稚園の正規のカリキュラム以外の活動にかかる費用である。この費用は、公立幼稚園で年間約9万1千円(総額の54.8%)、私立幼稚園で約14万4千円(総額の46.7%)となっており、学習費総額の中で大きな割合を占めている。

学校外活動費は、主に「補助学習費」と「その他の学校外活動費」に分けられる。補助学習費には、家庭内学習費、通信教育・家庭教師費、学習塾費などが含まれる。その他の学校外活動費には、体験活動・地域活動、芸術文化活動、スポーツ・レクリエーション活動などが含まれる。

公立幼稚園の場合、補助学習費が約3万円(33.0%)、その他の学校外活動費が約6万1千円(67.0%)となっている。私立幼稚園では、補助学習費が約4万2千円(29.2%)、その他の学校外活動費が約10万2千円(70.8%)である。

特に注目すべきは、その他の学校外活動費の高さである。これは、幼児期の多様な体験活動が重視されていることを反映している。スポーツや芸術活動、地域との交流など、さまざまな経験を通じて子どもの成長を促すためには、それなりの費用がかかることがわかる。

これらの費用は、幼稚園が直接請求するものではなく、保護者の判断で選択できる部分もある。たとえば、通信教育や習い事の選択によって、費用を調整することが可能だ。ただし、子どもの興味や適性を考慮しながら、バランスの取れた活動を選ぶことが大切である。

学校給食費と学校外活動費は、幼稚園生活を豊かにする重要な要素である。これらの費用を適切に管理し、子どもの成長に必要な経験を提供しつつ、家計のバランスを保つことが求められる。

よくある質問

Q
幼稚園にかかる費用は平均して月いくらですか?
A

公立幼稚園の年間費用は約16万5千円、私立幼稚園は約30万9千円です。これを月額に換算すると、公立は約1万3千円、私立は約2万6千円程度になります。費用は年齢や地域、幼稚園の種類によって異なります。

Q
満3歳児クラスに入るメリットは?
A

満3歳児クラスは、幼稚園無償化制度の対象となる開始年齢であり、教育の機会が保障されることが大きなメリットです。また、社会性や生活習慣の形成に適した時期に集団生活を始められることも家庭にとっては利点になります。

Q
幼稚園に入れる条件は?
A

満3歳から就学前までの子どもが対象で、多くは4月1日時点の年齢や住所地により利用可能です。また、保護者の申請による入園認定が必要な制度もあります。無償化適用のためには認定申請が必要です。

Q
1歳だと保育園はいくらかかる?
A

1歳児の保育料は地域や所得により異なりますが、全国平均で月額約4万円前後のケースが多く、給食費や教材費などの諸経費が別途かかります。

Q
幼稚園と保育園では費用に違いがありますか?
A

はい、違いがあります。一般的に、保育園の方が幼稚園よりも費用が低くなる傾向にありますが、世帯収入や利用時間によって変わってきます。

Q
幼稚園の費用を抑えるコツはありますか?
A

はい、いくつかあります。例えば、公立幼稚園を選ぶ、兄弟姉妹で同じ幼稚園に通わせる、幼児教育の無償化制度を利用するなどが挙げられます。また、必要最小限の教材や用品を選ぶことも効果的です。

まとめ:幼稚園費用の計画と対策

幼稚園にかかる費用は、公立と私立、年齢、世帯収入などによって大きく異なることがわかった。ここでは、これまでの情報を踏まえて、幼稚園費用の計画と対策について考えてみる。

幼稚園費用の計画立案には、長期的な視点が欠かせない。3年間の総額を見据えつつ、年齢ごとの費用の変化も考慮に入れる必要がある。特に5歳児での費用増加に備えて、計画的な貯蓄や予算配分を考えることが重要である。

公立幼稚園と私立幼稚園では、3年間の総額に約45万円もの開きがある。幼稚園選びの際には、教育方針や環境だけでなく、この費用の差も重要な検討材料となるだろう。ただし、費用の高低が教育の質を直接的に示すものではないことに留意すべきである。

世帯収入によって教育費にかける金額に差があることも明らかになった。しかし、収入に関わらず子どもに適切な教育環境を提供するためには、さまざまな支援制度の活用が有効である。

たとえば、幼児教育の無償化制度を利用することで、基本的な教育費用の負担を軽減できる。また、多くの自治体で実施されている就園奨励費補助金制度や、兄弟姉妹がいる場合の保育料軽減制度なども、積極的に活用したい。

教育費専用の口座を設けて計画的に貯蓄することも、有効な方法の一つである。毎月の児童手当を、この口座に積み立てるのもよいだろう。

また、幼稚園費用以外の部分で家計のやりくりを工夫することも大切である。たとえば、食費や光熱費などの固定費を見直したり、不要な支出を削減したりすることで、教育費に回せる予算を増やすことができる。

一方で、教育にかける費用を考えるうえでは、金銭的な側面だけでなく、子どもの興味や適性、家庭の価値観なども重要な要素となる。たとえば、習い事や課外活動の選択では、子どもの興味を尊重しつつ、家計とのバランスを取ることが求められる。

幼稚園時代は、子どもの成長にとって非常に重要な時期である。この時期に適切な教育環境を提供することは、子どもの将来に大きな影響を与える可能性がある。そのため、費用面での課題はあっても、可能な限り充実した教育機会を提供することが望ましい。

最後に、幼稚園費用の計画は、小学校以降の教育費も見据えたものであるべきだ。幼稚園から高校卒業までの長期的な教育費計画を立てることで、より安定した家計運営が可能になるだろう。

幼稚園費用の計画と対策は、子どもの教育と家計のバランスを取るための重要な取り組みである。本記事の情報を参考に、各家庭の状況に合わせた最適な計画を立てていってほしい。

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