【大阪府】一人暮らしから夫婦・子育て世帯の平均生活費｜家族構成別の暮らしデータ・収支分析

家計のやりくりに悩む方は多いものである。とくに大阪府では、生活費の効率的な管理が重要な課題となっている。世帯人数の変化は、支出の内訳にも大きな影響を与えるため、家族構成に応じた対策が必要となってくる。

この記事では、大阪府の家族構成別の収支データから、世帯タイプごとの特徴を解説する。このデータを参考にすることで、より効果的な家計管理につなげることができるだろう。

子どものいない世帯の家計支出の特徴

単身世帯、夫婦のみの世帯、親と同居する世帯では、それぞれ特徴的な支出傾向がみられる。まずは基本的な支出から、各世帯の特徴を詳しくみていこう。

項目	夫婦のみ	単身世帯	夫婦とその親
消費支出	266,422	167,847	274,317
食料	70,784 (26.6%)	39,556 (23.6%)	80,465 (29.3%)
住居	50,904 (19.1%)	37,613 (22.4%)	14,743 (5.4%)
光熱・水道	14,943 (5.6%)	7,375 (4.4%)	24,125 (8.8%)
家具・家事用品	7,435 (2.8%)	3,795 (2.3%)	8,907 (3.2%)
被服及び履物	9,144 (3.4%)	7,342 (4.4%)	9,495 (3.5%)
保健医療	12,712 (4.8%)	8,698 (5.2%)	15,084 (5.5%)
交通・通信	34,061 (12.8%)	21,539 (12.8%)	37,875 (13.8%)
教育	–	–	–
教養娯楽	26,340 (9.9%)	21,120 (12.6%)	38,682 (14.1%)
その他の消費支出	40,100 (15.1%)	20,808 (12.4%)	44,940 (16.4%)
非消費支出	78,771	53,616	79,506
[持ち家（現住居）の 帰属家賃]	53,801	19,842	78,840
勤め先収入	391,021	290,918	402,152
可処分所得	376,304	253,922	472,234

基本生活費からみる特徴

食費、住居費、光熱水道費の割合をみると、世帯構成による特徴が顕著にあらわれている。単身世帯と夫婦のみの世帯では住居費の負担が大きく、それぞれ消費支出の22.4%、19.1%を占めている。食費については、夫婦とその親の世帯が29.3%と最も高く、世帯人数の増加に伴い総額も上昇する傾向がみられる。

日常生活費の使い方

交通・通信費や教養娯楽費などの日常生活費は、世帯構成によって異なる特徴を示している。夫婦とその親の世帯では教養娯楽費が消費支出の14.1%を占めており、他の世帯と比べて高い割合となっている。一方、交通・通信費は単身世帯と夫婦のみの世帯でともに12.8%と同程度の割合を示しており、世帯人数による大きな違いはみられない。

効率的な支出のポイント

光熱水道費と家具・家事用品費に注目すると、世帯人数による効率化の効果が明確である。夫婦とその親の世帯では、光熱水道費は24,125円と最も高額だが、一人当たりの負担は軽減されている。家具・家事用品についても同様の傾向がみられ、複数人での共有による効率化が進んでいることがわかる。

子育て世帯の家計支出の実態

子どもの人数や世帯構成の違いによって、支出の内訳は大きく変化する。データから特徴的な傾向を読み解いていこう。

項目	子1人	子2人	子3人以上	片親と子	夫婦と子 と親
消費支出	280,523	283,072	396,199	229,535	375,439
食料	74,649 (26.6%)	80,121 (28.3%)	98,973 (25.0%)	59,934 (26.1%)	112,036 (29.8%)
住居	20,380 (7.3%)	14,976 (5.3%)	27,706 (7.0%)	33,607 (14.6%)	12,548 (3.3%)
光熱・水道	18,881 (6.7%)	19,858 (7.0%)	24,668 (6.2%)	16,442 (7.2%)	24,335 (6.5%)
家具・家事用品	7,523 (2.7%)	7,715 (2.7%)	8,953 (2.3%)	5,519 (2.4%)	11,926 (3.2%)
被服及び履物	10,748 (3.8%)	12,166 (4.3%)	12,174 (3.1%)	9,231 (4.0%)	14,421 (3.8%)
保健医療	11,680 (4.2%)	10,003 (3.5%)	13,701 (3.5%)	7,913 (3.4%)	20,265 (5.4%)
交通・通信	45,268 (16.1%)	38,432 (13.6%)	47,054 (11.9%)	38,535 (16.8%)	54,887 (14.6%)
教育	14,085 (5.0%)	38,157 (13.5%)	72,282 (18.2%)	6,916 (3.0%)	32,204 (8.6%)
教養娯楽	26,638 (9.5%)	24,120 (8.5%)	30,067 (7.6%)	20,601 (9.0%)	39,409 (10.5%)
その他の消費支出	50,670 (18.1%)	37,523 (13.3%)	60,620 (15.3%)	30,836 (13.4%)	53,409 (14.2%)
非消費支出	95,485	98,775	99,908	38,957	63,496
[持ち家（現住居）の帰属家賃]	60,093	71,469	61,215	26,870	78,953
勤め先収入	483,503	530,222	561,018	259,847	409,693
可処分所得	464,583	465,021	482,209	295,369	478,513

子育てにかかる基本的な支出

食費と光熱水道費は、家族構成によって特徴的な傾向を示している。夫婦と子と親の世帯では、食費が112,036円と最も高く、消費支出の29.8%を占めている。光熱水道費は子どもの人数が増えるにつれて上昇し、子3人以上の世帯では24,668円となっている。

教育費と日常生活費の特徴

教育費は子どもの人数による影響が顕著である。子3人以上の世帯では教育費が72,282円と最も高く、消費支出の18.2%を占めており、子1人世帯の5.0%と比べて大きな差がある。一方で、交通・通信費は片親と子の世帯で16.8%と高い割合を示しており、生活維持のための必要経費となっている。

家計改善に向けた分析

住居費と光熱水道費の関係から、世帯構成による支出の特徴が見えてくる。片親と子の世帯では住居費が33,607円と高く、消費支出の14.6%を占めているのに対し、夫婦と子と親の世帯では12,548円と低く抑えられている。これは三世代同居による固定費の効率化を示している。

まとめ：家族構成別の支出傾向から学ぶポイント

大阪府の家族構成別の支出データからは、世帯構成による家計支出の特徴が明確にあらわれている。単身世帯と夫婦のみの世帯では住居費の負担が大きく、それぞれ消費支出の22.4%、19.1%を占めている。一方、子育て世帯では教育費の割合が子どもの人数に応じて大きく上昇し、子3人以上の世帯では18.2%にまで達している。

また消費支出の内訳は、世帯構成によって大きく異なっている。食費は夫婦と子と親の世帯で29.8%と最も高く、交通・通信費は片親と子の世帯で16.8%と際立って高い割合を示している。このように、世帯の特性に応じて支出の優先順位が異なることがわかる。

このように、家族構成によって支出の内訳は大きく異なるため、自身の世帯構成に応じた家計管理が重要となってくる。各費目の金額だけでなく、消費支出に占める割合も意識しながら、バランスの取れた支出計画を立てることが望ましい。