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投資信託の種類は多岐にわたり、初めて投資を検討する人にとって、選択に迷うことが多い。
この記事では、投資信託の4つの主要な種類(株式型、債券型、バランス型、REIT型)について、それぞれの特徴とリスク・リターンの特性を解説する。さらに、実際のポートフォリオ構築例を示し、自分に合った投資信託の選び方についても詳しく説明する。
投資信託の種類
投資信託はさまざまな角度から分類できる。ここでは投資先・運用方針による分類を紹介し、どうすれば自分のリスク許容度に合った組み合わせができるかについて解説する。
株式型投資信託
株式型投資信託は、株式を主要な投資対象とする投資信託である。国内株式や外国株式、特定のテーマに沿った株式などに投資する。株式市場の動向に応じて基準価額が変動するため、他の種類と比べてリスクが高い傾向にあるが、リターンの期待値も高くなる。長期的な資産形成を目指す投資家に適している。
専門家のワンポイントアドバイス:
株式型投資信託は、株式市場の変動に左右されるため、短期的には価格変動が大きくなる傾向があります。ただし、長期的に見ると、企業の成長に伴って株価が上昇し、高いリターンが期待できます。
債券型投資信託
債券型投資信託は、国債や社債などの債券を主要な投資対象とする投資信託である。債券の利息収入を中心に運用し、株式型に比べて安定した収益が期待できる。ただし、金利変動によって債券価格が変動するため、一定のリスクがある。リスクを抑えつつ、安定的な収益を目指す投資家に適している。
バランス型投資信託
バランス型投資信託は、株式と債券の両方に投資し、リスクとリターンのバランスを取ることを目指す投資信託である。株式と債券の投資比率は、ファンドによって異なる。株式型と債券型の中間的な特徴を持ち、リスク分散効果が期待できる。中長期的な資産形成を目指す投資家に適している。
専門家のワンポイントアドバイス:
バランス型投資信託は、株式と債券のメリットを組み合わせた商品で、リスクを抑えつつ、一定のリターンを目指すことができます。ポートフォリオの中核となる投資信託として選択する投資家が多いですね。
REIT型投資信託
REIT型投資信託は、不動産投資信託(REIT)に投資する投資信託である。オフィスビルや商業施設などの不動産に投資し、賃貸収入や不動産価値の上昇によるリターンを目指す。不動産市場の動向に影響を受けるため、一定のリスクがあるが、他の資産とは異なる特徴を持つ。ポートフォリオの分散効果を高めたい投資家に適している。
- 参考:野村證券「投資信託の種類」
【具体例】投資対象を軸にしたポートフォリオ
<表> 投資信託の種類と特徴
種類 | 主な投資対象 | リスク | リターン |
---|---|---|---|
株式型 | 国内外の株式 | 高い | 高い |
債券型 | 国債、社債など | 低い | 低い |
バランス型 | 株式と債券 | 中程度 | 中程度 |
REIT型 | 不動産投資信託 | 中程度 | 中程度 |
この表は、投資信託の種類ごとの主な投資対象、リスク、リターンの特徴をまとめたものである。それぞれのリスクとリターンをもとに、ポートフォリオの具体例を挙げる。
3つのポートフォリオ
〇 低リスクポートフォリオ
低リスク許容度のポートフォリオは、債券型投資信託を中心に60%配分し、安定性を重視する。バランス型投資信託を30%、REIT型投資信託を10%組み入れることで、リスクを抑えつつ、ある程度の収益性も確保する。
〇 中リスクポートフォリオ
中リスク許容度のポートフォリオは、債券型投資信託とバランス型投資信託をそれぞれ40%配分し、安定性とある程度の収益性のバランスを取る。さらに、株式型投資信託とREIT型投資信託をそれぞれ10%組み入れることで、リスクを取りつつ、収益性の向上を目指す。
〇 高リスクポートフォリオ
高リスク許容度のポートフォリオは、株式型投資信託を中心に50%配分し、高い収益性を追求する。バランス型投資信託を30%、REIT型投資信託を20%組み入れることで、リスクの分散を図りつつ、株式市場の上昇による収益の獲得を目指す。
- 参考:アセットマネジメント One「ポートフォリオを作ってみましょう」
ポートフォリオを自分で考える際のポイント
投資信託を組み合わせてポートフォリオを構築する際には、次のようなポイントを考慮することが重要である。自分のリスク許容度や投資目的に合ったポートフォリオを作ることで、効果的な資産運用を実現できる。
- リスク許容度の確認
- 自分がどの程度のリスクを許容できるかを明確にする
- リスク許容度に応じて、株式型、債券型、バランス型、REIT型の配分を決める
- 投資目的の明確化
- 短期的な利益を目指すのか、長期的な資産形成を目指すのかを明確にする
- 投資目的に合わせて、投資信託の選択や配分を調整する
- 分散投資の実践
- 一つの投資信託に集中するのではなく、複数の投資信託に分散投資する
- 資産クラス(株式、債券、不動産など)や地域(国内、先進国、新興国など)にも分散する
- 定期的なリバランス
- 当初の配分比率から乖離が生じた場合、定期的にリバランスを行う
- リバランスにより、ポートフォリオのリスク管理と収益の最適化を図る
- 長期的な視点
- 短期的な市場変動に一喜一憂せず、長期的な視点でポートフォリオを維持する
- 投資信託は長期保有することで、その効果を最大限に発揮する
- 手数料の考慮
- 投資信託の購入時や保有期間中にかかる手数料を考慮する
- 手数料が高い場合、運用成果に大きな影響を与える可能性がある
これらのポイントを意識して、自分に合ったポートフォリオを構築することが大切だ。定期的に自分のポートフォリオを見直し、必要に応じて調整を行うことで、効果的な資産運用を実現しよう。
まとめ:リスク許容度に応じた投資戦略
投資信託の4つの主要な種類について、以下の重要なポイントを解説した。まず、株式型投資信託は高リスク・高リターンの特性を持ち、長期的な資産形成に適している。一方、債券型投資信託は相対的に安定した運用が特徴で、安全性を重視する投資家に向いている。バランス型投資信託は、株式と債券をバランスよく組み合わせることで、中程度のリスクとリターンを実現する。REIT型投資信託は、不動産投資信託への投資を通じて、分散投資効果を高めることができる。
これらの特徴を理解した上で、自身のリスク許容度や投資目的に合わせて投資信託を選択することが重要である。また、複数の種類を組み合わせてポートフォリオを構築することで、より効果的なリスク分散が可能となる。投資を始める際は、まず小規模な投資からスタートし、徐々に理解を深めながら投資額を増やしていくことをお勧めする。
- Q初心者はどの種類の投資信託から始めるべきですか?
- A
初心者の方は、リスクが比較的低く、運用の仕組みが分かりやすいバランス型投資信託から始めることをお勧めします。株式と債券をバランスよく組み合わせているため、急激な価格変動が抑えられ、投資信託の基本的な特徴を理解しやすいという利点があります。
- Qどの種類の投資信託が最もリスクが高いですか?
- A
株式型投資信託が最もリスクが高い傾向にあります。株式市場の変動に直接影響を受けるため、価格変動が大きくなる可能性があります。ただし、長期的には高いリターンが期待できます。
- Q同じ種類の投資信託でも、運用成績に差が出るのはなぜですか?
- A
同じ種類の投資信託でも、運用会社の投資方針、運用担当者の判断、組み入れている個別銘柄の選定基準、手数料の違いなどにより、運用成績に差が生じます。投資信託を選ぶ際は、過去の運用実績だけでなく、これらの要因も考慮することが重要です。
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