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将来の生活設計において、年金受給額の把握は大きな関心事である。特に年収600万円程度の会社員にとって、毎月どの程度の年金を受け取れるのかは切実な問題だ。
この記事では、標準報酬月額と加入期間に応じた具体的な年金受給額を解説する。老齢基礎年金と老齢厚生年金の仕組みをわかりやすく説明することで、将来の年金受給額を正確に把握できるようになる。
年収600万円でもらえる年金額:年間200万円?
年金受給額は、会社員の標準報酬月額と加入期間によって変動する。以下の表で、具体的な年金受給額を確認できる。
標準報酬月額 | 40年加入 | 35年加入 | 30年加入 |
---|---|---|---|
30万円 | 1,842,000円 | 1,713,750円 | 1,585,500円 |
40万円 | 2,184,000円 | 2,013,000円 | 1,842,000円 |
50万円 | 2,526,000円 | 2,312,250円 | 2,098,500円 |
- 老齢基礎年金と老齢厚生年金の合計額。老齢基礎年金は満額81.6万円で計算している。
- ここでは最長40年加入とし、40年未満の場合は国民年金保険のみ加入したものとする。
- 生涯で平均年収が600万円なら標準報酬月額50万円を参照するが、一般的には少しずつ年収は上がるので、平均すると600万円に満たない。その場合に40万円や30万円を参照するとよい。
標準報酬月額と年収600万円の関係
年収600万円の場合、標準報酬月額は通常40万円から50万円の間に設定される。これは、賞与を除いた月額給与が概ね35万円から45万円程度となるためである。ただし、会社の賞与の支給方法や給与体系によって、実際の標準報酬月額は異なる場合がある。
標準報酬月額と加入期間による年金額の違い
年収600万円の会社員の場合、40年間の加入で年間218万円から252万円程度の年金を受け取ることができる。これは月額に換算すると約18万円から21万円となる。ただし、加入期間が30年の場合、年金額は184万円から209万円程度まで減少する。現在の加入期間を確認し、今後の年金受給額を見据えた生活設計を立てることが重要である。
専門家のワンポイントアドバイス:
固定給と変動給の割合によって標準報酬月額が変わるため、給与明細の内訳を確認しておきましょう。
老齢基礎年金と老齢厚生年金の仕組み
会社員が受け取る年金は、老齢基礎年金と老齢厚生年金の2種類で構成されている。年収600万円の場合、両方の年金を合わせることで、先ほどの表のような受給額となる。
老齢基礎年金の金額
老齢基礎年金の満額(令和6年4月以降)は年間81.6万円である。これは40年間保険料を納付した場合の金額であり、加入期間が短くなると比例して減額される。例えば35年間の場合は約71.4万円、30年間の場合は約61.2万円となる。年収に関係なく、すべての加入者に共通の金額である。
- 参考:日本年金機構「令和6年4月分からの年金額」
老齢厚生年金の金額
年収600万円の場合、老齢厚生年金は標準報酬月額に応じて年間136万円から170万円程度となる。これは40年加入の場合の金額であり、加入期間が短くなると比例して減少する。標準報酬月額が40万円の場合、40年加入で約136.8万円、30年加入で約102.6万円となる。
- 参考:日本年金機構「老齢厚生年金の受給要件・支給開始時期・年金額」
標準報酬月額の決め方
標準報酬月額は、毎年4月から6月までの3か月間の給与平均を基準に決定される。年収600万円の場合、月々の給与に加えて賞与の支給方法によって、標準報酬月額の等級が変わることがある。固定給が中心の場合は40万円、変動給や手当が多い場合は50万円となるケースが多い。
専門家のワンポイントアドバイス:
年金の受給開始年齢は60~70歳の間で選択できますが、遅らせるほど受給額は増えます。
- 参考:日本年金機構「標準報酬月額は、いつどのように決まるのですか。」
今から公的年金の額を増やすためには
年収600万円の会社員が将来の年金受給額を増やすためには、「加入期間の確保」と「標準報酬月額の増額」という2つの方法がある。それぞれの方法について、具体的にできることを見ていく。
加入期間を確保する方法
加入期間が1年増えるごとに、年金受給額は約5万円増加する。例えば35歳で年収600万円の会社員の場合、60歳までの加入期間は25年となるが、65歳まで働くことで30年に延ばすことができる。また、配偶者の扶養から外れて厚生年金に加入したり、学生時代の未納期間を追納したりすることでも、加入期間を増やすことができる。
標準報酬月額を上げる方法
昇給や昇進で標準報酬月額が10万円上がると、年金受給額は年間約34万円増える。具体的には、確定した昇給のタイミングに合わせた転職や、残業代を含めた給与計算の見直し、職能資格の取得による昇給などが有効である。また、産休・育休から復職する際は、標準報酬月額が下がらないよう注意が必要である。
専門家のワンポイントアドバイス:
退職金や賞与の時期によって標準報酬月額が変動することがあるので、年金事務所に確認することをお勧めします。
まとめ:年収600万円の年金受給額を把握しよう
年収600万円の会社員の年金受給額は、加入期間40年の場合、標準報酬月額に応じて年間184万円から252万円程度となる。将来の年金受給額を増やすためには、加入期間の確保と標準報酬月額の増額が重要である。
具体的には、65歳まで働くことで加入期間を延ばしたり、昇給や昇進によって標準報酬月額を上げたりすることができる。また、配偶者がいる場合は加給年金の対象となり、iDeCoなどの個人年金を活用することで、さらなる上乗せも可能である。
まずは自分の加入期間と標準報酬月額を確認し、必要に応じて年金事務所に相談することで、より正確な受給見込み額を把握することができる。将来の生活設計に向けて、早めの年金対策を始めることが望ましい。
- Q休中の保険料免除期間は年金額に影響しますか?
- A
影響しません。免除期間も加入期間としてカウントされ、将来の年金額は保険料を納付したものとして計算されます。
- Q年収600万円で標準報酬月額が30万円の場合、見直しは可能ですか?
- A
給与明細を年金事務所に持参し、標準報酬月額の決定が適切か確認することができます。
- Q転職で年収が600万円に増えた場合、年金額はいつから変更されますか?
- A
原則として、転職後の4月から6月の給与実績に基づいて、その年の9月から標準報酬月額が改定されます。
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