ウェブライターとAIの付き合い方：現状と将来の可能性

AI生成技術の登場から、その性能の向上は目まぐるしく、さまざまな分野に影響を与えてる。ウェブライターへの影響も大きくなることは想像しやすく、どのようにAIと関わっていくかについて考えなければならない。

ウェブライターがAIに期待すること

ウェブライターにとって、AIに最も期待したいことは、**「単純な命令で、期待どおりの記事を作成する」**ことである。もしAIがこれを実現できれば、ウェブライターの役割は大きく変化せざるを得ない。誰もが簡単に質の高い記事を生成できるようになれば、ウェブライターの専門性や付加価値が問われることになるだろう。

しかし、現状のAIにはまだ限界がある。例えば、最新の情報を取り入れることや、信頼性の高い情報源を選別することは容易ではない。また、読者の感情に訴えかけるような文章を書くこともAIには難しい。つまり、AIが単独で高品質な記事を生成することは、現時点では現実的ではない。

だからこそ、ウェブライターはAIを脅威と捉えるのではなく、むしろ積極的に活用していくべきだ。AIにできること・できないことを見極め、AIの力を借りながら、自らの経験と知識を活かすことが重要になる。例えば、AIに記事の骨組みを作ってもらい、そこにウェブライターが肉付けをしていく。あるいは、AIに文章校正を任せ、ウェブライターは構成やニュアスの調整に注力する。このように、AIとウェブライターが協働することで、より効率的で質の高い記事作成が可能になるはずだ。

さらに、ウェブライターはAIの発展を見据え、自らのスキルアップを怠ってはならない。AIにはできない、人ならではの創造性や共感力を磨くことが大切だ。また、AIを使いこなすためのスキル、プロンプトエンジニアリングなども身につけておくとよいだろう。

AIの発展は脅威であると同時に、大きなチャンスでもある。ウェブライターは柔軟な姿勢で、AIとの付き合い方を模索していく必要があるのだ。

AIの性能

たとえば、アフィリエイトサイトに掲載予定で「おすすめの医療保険と根拠、メリット・デメリットを解説して」と要望しても、期待どおりの記事はできない。AIの持つ情報が2024年3月1日現在、2021年までの情報で、各保険会社のサイトから情報収集してまとめているわけではない。さまざまなサイトの情報をまとめて解説しているようだが、情報が正しいかどうかの判断はできていない。また期待どおりの記事にするためには、質問の仕方に工夫が必要だ。

2024年3月現在の、気になったAI性能をまとめておく。

• AIの保有している情報が2年前までのもので、記事のテーマによっては対応できない。
• 情報源の信頼性が不安定で、ファクトチェックが必要である。
• 質問の仕方に工夫が必要であり、簡単に期待どおりの記事を得られない。

AIに記事を依頼した場合の難しい点について、AIに聞いたので紹介しておく。

1. 情報の新鮮さ：AIの知識は訓練データに基づいています。そのため、訓練データが2021年までの情報しか含まない場合、それ以降の情報を提供することはできません。
2. 情報の正確さ：AIは訓練データに含まれる情報を学習しますが、その情報が必ずしも正確であるとは限りません。また、AIは情報を文脈に基づいて解釈する能力に限りがあります。
3. 情報の深さ：AIは大量の情報を処理する能力がありますが、その情報を深く理解する能力は限定的です。特に、専門的な知識や複雑な概念を理解するのは難しいです。
4. 創造性とオリジナリティ：AIは既存の情報を基に新しい内容を生成することができますが、人間のような創造性やオリジナリティを持つことは難しいです。
5. 感情の理解と表現：AIは感情を理解したり表現したりする能力に限りがあります。そのため、感情的なニュアンスを含む記事を書くのは難しいです。
6. 個々のユーザーのニーズの理解：AIは一般的なニーズに対応することができますが、個々のユーザーの特定のニーズや好みを理解するのは難しいです。

さらに、上記の項目について、将来的に克服されるかどうかも確認しておいた。

AIの性能について、現状の課題と将来の可能性を表にまとめると以下のようになる。

項目	現状の課題	将来の可能性
情報の新鮮さ	AIの知識は2021年までの情報に限定される	定期的な訓練データの更新やリアルタイムデータの取得により、最新の情報を反映可能になる
情報の正確さ	訓練データに含まれる情報の正確性が保証されない	大規模で高品質なデータセットの使用や、AIの理解力向上により正確さが改善する
情報の深さ	専門的な知識や複雑な概念の理解が困難である	深層学習や強化学習の進歩により、より複雑な概念の理解が可能になる
創造性とオリジナリティ	人間のような創造性やオリジナリティを持つことが難しい	GANs（Generative Adversarial Networks）などの技術により、より創造的な内容の生成が可能になる
感情の理解と表現	感情を理解したり表現したりする能力に限界がある	感情分析や感情生成のための新たなAIモデルの開発により、感情の理解と表現の精度が向上する
個々のユーザーのニーズの理解	個々のユーザーの特定のニーズや好みの理解が難しい	パーソナライゼーション技術の進歩により、個々のユーザーのニーズや好みをより正確に理解可能になる

また、現在のAIの性能に関する具体的な事例としては、以下の点が挙げられる。

• 2021年以降の情報を含まない場合、最新のトレンドや出来事に対応した記事の生成が困難である
• 情報源の信頼性が不明瞭な場合、事実と異なる内容が含まれる可能性がある
• 専門的な用語や複雑な論理展開を要する記事の生成には課題がある
• 画一的な文章になりがちで、独自性や創造性に欠ける場合がある
• 感情的なニュアンスを込めた表現や、共感を呼ぶような文章の生成が苦手である
• ユーザーの関心事や好みに合わせたパーソナライズされた記事の生成は現状では限定的である

これらの課題は、AIの技術的進歩により徐々に克服されていくと考えられるが、現時点ではウェブライターの専門性や創造性、感性が重要な役割を果たしているのである。

AIが人の感情を理解する日は遠くなさそうだ。

ウェブライターによるAIの活用

AIの性能を理解したうえで、ウェブライターとしてどのような活用方法があるか、考えておく必要がある。

業務支援

AI生成でコードを教えてくれるため、割と簡単に作業の自動化を実現できる。これまで試した自動化作業をまとめる。

• ウェブスクレイピング：検索上位サイトの傾向を把握できる。ただし、利用には注意が必要なので、マナーを意識する。robot.txtを使って、許可・不許可の判定も自動化できる。
• キーワードの抽出：pythonを使って、原稿からキーワードの抽出・出現回数がわかる。優先順位は高くないが、簡単に作れる。
• SEO対策：ウェブスクレイピングやキーワードの抽出もSEO対策だが、SEO対策の作業を自動化できる。
• 政府統計データの分析：AIは大量のデータを高速に処理する能力がある。そのため、政府統計データなどの一次情報を分析し、その結果を記事に反映することが可能だ。また、Pythonのデータ分析ライブラリ（例えば、pandasやnumpy）を使用することで、データの集計や可視化を効率的に行うことができる。
• 用語の定義：専門用語の定義はAIを使うと、統一性が出る

希望している文章を生成するために提示すべき条件

文章生成AIに、「不動産投資のメリット・デメリットについて3000文字で書いて」と命令しても、期待どおりの文章ができる可能性は低い。どのような条件を提示すれば、希望している文章を生成してもらえるかを検討する必要がある。

以下のようなルールや条件を具体的に示すとよい。

【文章の目的】

• 文章の種類(説明文、論説文、物語など)
• 想定する読者層
• 文章が達成すべき目標(説得する、理解を促す、娯楽を提供するなど)

【内容に関する条件】

• 扱うべきトピックやキーワード
• 必須で含むべき情報
• 特に強調したい主張やメッセージ
• 論理の順序や情報の構造

【文体に関する条件】

• 使用する言葉遣い(易しい/専門的、砕けた/堅い等)
• 文章の長さや分量
• 文体(能動態/受動態、肯定文/否定文の比率等)
• 感情表現の有無と程度

【その他の条件】

• 必要な参考文献やリソース
• 守るべき方針(中立性、ブランドの指針等)
• フォーマットや体裁(見出し、箇条書きの使用等)

まとめ

AIの発展により、ウェブライターの業務にも大きな変化が訪れている。

AIに単純な命令で記事を作成してもらうことはまだ難しいが、ウェブライターはAIを脅威ではなく味方と捉え、うまく活用していくことが重要である。AIにできること・できないことを見極め、ウェブライターの経験と知識を活かしながらAIと協働することで、より効率的で質の高い記事作成が可能になるだろう。

また、AIにはない創造性や共感力を磨き、AIを使いこなすためのスキルを身につけることも求められる。AIの発展を機会と捉え、柔軟な姿勢でAIとの付き合い方を模索していくことが、これからのウェブライターに必要とされているのである。