第4章 ◇ 執筆時に参考とするサイト

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この記事を読んで得られるメリット

  • 信頼できる参考サイトの選び方がわかる
  • 参考サイトの特徴と具体的な活用方法が理解できる
  • 参考サイトを使う際の注意点を把握できる

執筆する前に、十分な情報収集が必要となる。資格を保有していても、知識に頼りすぎず、最新の情報を収集したい。制度改正や状況の変化などもあり、知識が使えない可能性も考慮したい。

WEBサイトを参考サイトにすることは多い。しかし、その活用方法には注意点もある。独自性のある記事に仕上げるために、参考サイトの活用方法をまとめる。

ウェブライター
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信頼できる情報源を選ぶことが何より大切です。公的機関のサイトを中心に、複数のサイトから情報を収集し、自分なりに咀嚼(そしゃく)して記事にまとめることが重要ですね。

4-1 ◇ 参考サイトの活用方法・手順

執筆の情報源となる参考サイトは、限られている。信頼性(Trustworthiness)が高く、権威性(Authoritativeness)のあるサイトを選ぶ必要がある。また執筆する内容に困ったり、表現方法を探したりする場合は、複数のサイトを読み込み、内容を理解し、自分の言葉でまとめなければならない。

参考サイトの信頼度はおおむね次のとおりである。

  •  最も信用できるサイト(エビデンス★★★/わかりやすさ★)
    ∟中央政府省庁・地方自治体などの公的機関サイト
  •  信頼できるサイト(エビデンス-★★★/わかりやすさ★★)
    ∟一般社団法人、公益財団法人などの業界団体サイト
  • 注意して活用すべきサイト(エビデンス★/わかりやすさ★★)
    ∟銀行・保険会社・証券会社などのサイト、公式サイト

基本的に①以外は活用しない。①だけでは事実確認できない分野は②を活用する。数値や制度内容などを執筆する際には「出典」の明記が必要となるが、その際は、①のみしか活用できない。②も出典として活用できるが①がない場合にしておきたい。

また①の情報だけでは理解しにくい場合、②や③から情報収集し、理解を深めることは大切である。上記の①~③のサイトに記載されている情報に間違いがある可能性は小さいが、③は特定の商品を販売する企業・団体である。そのため、客観性が高いとは言い難い。なお、商品紹介などを執筆する際には③が最も信頼できる。

納品した記事について、第三者から質問や批判があった場合、サイト運営者が対応する必要がある。サイト運営者はライターとは異なり、専門的な知識が十分にあるとは限らない。そのため、誰でも簡単に事実確認ができる①を参照元とすることが望ましい。

ライターとしては、①の情報をいかにわかりやすく、正確に伝えられるかが重要となる。

◇ 各サイトの特徴と具体的な活用方法 ◇

① 最も信用できるサイト

中央政府省庁などの公的機関サイトは、誤った情報を伝えられないため、法律用語や専門用語をそのまま使っているページが多く、基本的にはわかりにくい。

 【特徴・活用方法】
・「出典」「引用」として使える
・細かい情報まで掲載されている
・文章がわかりにくく、理解できない可能性がある

② 信頼できるサイト

中央政府省庁や地方自治体の公式サイトにない情報が必要な場合、社団法人や財団法人の公式サイトが役立つ。たとえば、生命保険に関する中央政府省庁のサイトはない。そのため、生命保険の客観的な情報が必要な場合は、一般社団法人 生命保険協会のサイトを活用する。当該サイトには、各保険会社の契約数や苦情件数などさまざまな情報が集約されており、定期的に保険契約の実態がわかる調査結果を公表している。

ウェブライター
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業界団体のサイトは、各社横断的なデータや業界動向がまとめられていることが多いので、とても参考になります。ただし、業界寄りの情報になる可能性もあるので、公的機関の情報とあわせて参照することをおすすめします。

【特徴・活用方法】
・「出典」「引用」として使える
・細かい情報まで掲載されている
・わかりやすい文章で書かれている
・中央政府省庁のサイトにはない分野のみ、一次情報となり得る。

③ 注意して活用すべきサイト

銀行・保険会社・証券会社などのサイトは、販売者側のサイトであるため、信用しすぎると、客観性を損なう可能性がある。しかし一方で、公的機関サイトの情報を上手にまとめている。参考にする場合は、文章が似てしまわないように注意する。

 【特徴・活用方法】
・わかりやすい文章、表現方法が参考になる。
・商品性を調べる際には、商品概要説明書がよい。
・目立つページは、販売者側の意向が強い(影響を受けすぎないように)。
・誤った情報はほとんどないが、すべての情報が掲載されているわけではない。
・各社の商品については「出典」として使える。

④ そのほかのサイト

アフィリエイトサイトなど、上記以外のサイトを参考にしないようにする。エビデンスとして弱く、誤った情報が含まれている可能性がある。専門家などの顔写真・署名入りの記事でも参考にしないこと。専門性が高いと、考え方に個性が含まれている場合があり、一般的な情報とは言えない。

 【特徴・活用方法】
・検索上位サイトであれば、記事の構成は参考になる。
・「転職」や「キャンプ」など、テーマによっては活用頻度が上がる(①や②がないため)。

4-2 ◇ 参考サイトを活用する際の注意点

参考サイトを調査していると、誰が書いても同じ文章になると考え、「コピペして一部を変えたり、文を言えれ換えたりすれば簡単に終わる」と思うかもしれない。しかし、そのような安易な方法は避けるべきだ。

参考サイトから得た情報は、自分の言葉でまとめ直すことが大切である。文章をそのままコピーするのではなく、内容を理解し、読者にわかりやすく伝えるにはどうすればよいか考えながら書くことが求められる。

(参照元) 参考サイト
収入保障保険は、定期保険の一種で、被保険者が亡くなったときに、年金形式で保険金を受け取れる保険です。

(例1) 文の一部を適度に変更する
収入保障保険は、定期保険のなかまで、家族が亡くなった場合に、毎月一定額を保険金として受け取れる保険です。

(例2) 文節単位で入れ替える
収入保障保険は、被保険者が亡くなったときに、年金形式で保険金を受け取れる保険で、定期保険の一種です。

上記では、参照元を明示しているため、コピペして利用していることが明白だが、実際にはどのサイトを参照したかはわからない。しかし、原稿が既存のサイトとどの程度似通っているかを判定するツールがある。無料版では、CopyContentDetector® が広く使われている。高性能の有料版を利用している企業もあり、上記のような一部のみを変更する行為は、信頼を著しく失うことになる。

ウェブライター
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検索エンジンは、コピーコンテンツを重複とみなし、評価を下げる場合があります。オリジナリティのある記事づくりを心がけ、参考サイトの内容に頼りすぎないことが大切ですね。

まとめ

参考サイトを活用する際は、以下の点に注意しましょう。

  • 公的機関や業界団体など、信頼できるサイトを中心に参照する
  • 情報の正確性だけでなく、わかりやすさも考慮してサイトを選ぶ
  • 参考サイトの情報をそのまま使うのではなく、自分の言葉で書き換える
  • 文章の盗用はせず、オリジナリティのある記事を心がける

信頼できる情報源から学びつつ、読者目線で価値ある記事を作成することが重要です。

Q
参考サイトの引用方法について教えてください。
A

参考サイトから引用する場合は、引用部分を明示し、出典元を記載する必要があります。引用は必要最小限にとどめ、全文の引用は避けましょう。引用と自分の意見・解説とを明確に区別し、引用に頼りすぎないことも大切です。適切な引用は、記事の信頼性を高めるのに役立ちます。

Q
コピーコンテンツチェックツールは必ず使用すべきですか?
A

コピーコンテンツチェックツールは、記事のオリジナリティを確認するのに役立ちます。特に他サイトを多く参考にした場合は、類似度をチェックすることをおすすめします。ただし、あくまで目安の一つと考えましょう。ツールに頼るのではなく、自分で記事を推敲し、独自性を高める努力が何より大切です。なお、クライアントから利用を求められる場合もありますので、使い方を確認しておきましょう。

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