巻末資料 ◇ 表記ルール

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多くの人員が割かれるプロジェクトの場合、日本語の表記について規定が設けられる。ここでは、一般的に使われる表記ルールを記載する。特段、クライアントから指示がなくても、ルールに従っておくことで、細かいルールを提示された際にも戸惑うことなく対応できる。

なお、ここで紹介する表記ルールはあくまでも一例であり、クライアントから提供されたレギュレーションがある場合は、それに従った方がいいだろう。

漢字と仮名の使い分け次のような語句は、漢字と仮名で使い分ける。
(例)
・「時」:「~とき」はひらがな、「~じ」は漢字
・「他」:「た」は漢字、「ほか」はひらがな
・「事・物」:普通名詞は漢字、形式名詞はひらがな
・「等」:「など」はひらがな、「とう」は漢字
漢字は使わない次のような語句を、( )の中に示した例のように用いるときは、原則として、仮名で書く。
ある(その点に問題がある。)
いる(ここに関係者がいる。)
こと(許可しないことがある。)
できる(だれでも利用ができる。)
とおり(次のとおりである。)
とき(事故のときは連絡する。)
ところ(現在のところ差し支えない。)
とも(説明するとともに意見を聞く。)
ない(欠点がない。)
なる(合計すると1万円になる。)
ほか(そのほか…、特別の場合を除くほか…)
もの(正しいものと認める。)
ゆえ(一部の反対のゆえにはかどらない。)
わけ(賛成するわけにはいかない。)
~ かもしれない(間違いかもしれない。)
~ てあげる(図書を貸してあげる。)
~ ていく(負担が増えていく。)
~ ていただく(報告していただく。)
~ ておく(通知しておく。)
~ てください(問題点を話してください。)
~ てくる(寒くなってくる。)
~ てしまう(書いてしまう。)
~ てみる(見てみる。)
~ てよい(連絡してよい。)
~ にすぎない(調査だけにすぎない。)
~ について(これについて考慮する。)
(上記に加え)
・「次の様に」⇒「次のように」
・「お勧め」「オススメ」⇒「おすすめ」
・「当てはまる」⇒「あてはまる」
・「主に」⇒「おもに」
送り仮名〇 あとに特定の用語が続くかどうかで異なる用語
・「借入」「借り入れ」  借入金、借入条件(※)/余裕のある借り入れが必要
・「支払」「支払い」  支払手数料/~支払い方には3つある
・「申込」「申し込み」  申込書/無料相談に申し込む
  ※新聞記者ルールでは「借り入れ条件」ですが、金融機関は「借入条件」を使用しているため、ルールを一部修正しています。(新聞記者ルールでは、「状態や動作、方法を表す語に続ける場合は送り仮名をつけます」)  
〇 その他 ・名詞として用いるときは「話」とする 「お話しする」や「お話しになる」など、動詞的に用いるときは「話し」とする。 
並列助詞「~したり、~したり」
(✕)検討する際には、ネットで情報収集したり、本を読むと思いますが・・・
(〇)検討する際には、ネットで情報収集したり、本を読んだりすると思いますが・・・
※文章が長くなると気づかない人が多いので注意してください。
※3つ以上つなげることもできますが、基本的に二つにしてください。
列挙「〇〇や△△、□□などがあります」
※列挙が多くなる場合やそれぞれ説明が必要な場合は、表と併用するとわかりやすい。   ・〇〇と△△、□□  〇〇は~のことです。△△は~のことです。□□は~ことです。 ※このような場合、文章が単調になるため、表にまとめる。
接続詞「が」「逆接」のみで「単純な接続」では使わないようにする。 「が」を単純な接続では使わず、適切な接続詞に変えるなどする。
(例)
(✕)保険を理解するのは難しそうでしたが、契約のしおりを読むことにしました。 (〇)保険を理解するのは難しそうでした。そこで、契約のしおりを読むことにしました。
定型文〇 定型文を意識すると読みやすくなる
「たぶん(おそらく、さらに、きっと、やがて)~だろう」
「なぜなら~だからである」
「~は、~することだ」
「どうやら、~のようだ(らしい)」
「いかにも、~のようだ(らしい)」
「決して~ない」 「まったく~ない」
「ぜひ~してください」
「どうしても~たい」
「つい~してしまった」
「だった今~した」  
「なぜなら~なのである。たとえば~」
「もちろん~だ。しかし~」
「ら」抜き言葉〇 命令形にしたとき。「ろ」で終わる言葉はら抜き言葉
(例)
・「見れる」:命令形「見ろ」⇒ 見られる/見ることができる
「い」抜き言葉〇 「い」抜き言葉は使わない
(例) 投資信託に手数料がかかることは知ってるかもしれません。
⇒ ~知っているかもしれません。
△ 「一方」と「他方」「一方」は似たようなものを比べる。
共通性を強調 「他方」は全く異なるものを比べる。相違を強調
「?」は使わない「?」は日本語にはありませんので、使いません。
ただ、タイトルや見出しでは短い文で多くのことを伝える必要がありますので、使用しても構いません。
指示語明確に何を指示しているかわかる場合以外は使わない
段落2〜4行程度、行数が多すぎると読みにくいため。
△ 形容詞+です「多いです」「高いです」
日本語として認められていますが、文章を書き慣れている人ほどあまり使っていない印象があります。
  〇 言い回しを簡単に変えることができます。
(△)銀行で勧められるがままに商品を決めてしまう人が多いですが、
(〇)多くの人が銀行で勧められるがままに商品を決めていますが、
無駄な助詞助詞が無くても意味が通じる場合に注意します。
(例)注意をしましょう ⇒ 注意しましょう
△ その他・「一つ一つ」⇒「一つひとつ」
・「~する方はいらっしゃいますが」⇒「~する人はいらっしゃいますが」
 ※「~する方(ほう)」と読み間違える可能性がある。なるべくストレスなく読んでもらうためには、「~する人」も選択肢となる。

更新日:2024年3月31日

(訂正履歴)

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